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技能トランスファーのための重力下運動インピーダンス評価と運動介入技術の創成

研究課題

研究課題/領域番号 21H04911
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分61:人間情報学およびその関連分野
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

野田 智之  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主幹研究員 (30588661)

研究分担者 仲田 佳弘  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (80720664)
川上 途行  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (80424133)
研究期間 (年度) 2021-04-05 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2023年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2022年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2021年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
キーワード外骨格ロボット / アクチュエータ / インピーダンス / 外骨格型ロボット / ニューロリハビリテーション
研究開始時の研究の概要

ロボット技術を活用したリハビリテーションに高いニーズがあるその一方、ロボットと療法士とは明らかに動きの質が異なる。熟練療法士は身体特性を検知しながら力加減の調整をしており、筋の触診・身体の支持・動きの検出を同時に行っている。このような熟練療法士の技能や運動介入の定量化とモデル化は実現されていない。本研究では、麻痺の動きの質の定量化と熟練療法士の介入技能を解明するため、抗重力下の挙上運動アシスト中に力学的に透明にアシストできる技術を開発し、インピーダンスを評価するとともに熟練療法士の介入戦略をモデル化することでニューロリハビリテーションの高度化を目指す。

研究実績の概要

上肢挙上運動においては、特に中度から重度麻痺の患者に対する挙上運動に対して、安全かつ適切な力加減を実現することが必要である。当該年度の研究実施では、上肢肩挙上を支援するために新規に開発された空電ハイブリッドアクチュエータが開発された。アクチュエータ単体での摩擦の物理的なモデル化と補償制御を開発し、従来の物理モデルを改良した新規性の高いモデルを開発し、ベンチマーク試験システムによって性能が評価された。これらは、IEEEのTMECHにアクセプトされるなど、学術的なインパクトにも繋がった。また、アクチュエータの力加減を調整可能にする技術として、プレスリリースを通じて公表し、革新性をアウトリーチした。この技術は、融合型ハイブリッドアクチュエータとしてコンセプト提案を行った。これらの研究開発により、この技術が力強さと繊細さを兼ね備えており、多様な接触条件を模擬した実験でその高い性能が実証された。本研究により、空気と電気を用いたアクチュエータの融合により、接触点における外乱に対する力制御の能力が向上することが示された。また、上肢肩ロボットに搭載するためのセンシング
以上により、「融合型ハイブリッド」という新たなコンセプトが提案され、学術的なインパクトにつながった。さらに、臨床実証においても、脳卒中片麻痺患者の挙上訓練を目的とした実験の症例集積も進展している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該研究の目標は、抗重力下の挙上運動中の関節インピーダンスを評価するため、動きの外乱に対して理想的な力やインピーダンス制御が可能なアシスト技術を開発することである。当該年度の研究実施により、新たに開発された空電ハイブリッドアクチュエータは、上肢肩挙上を支援する技術として動きの外乱に対して、力制御の精度が向上しており、駆動システムが有用であることが示された。このアクチュエータはリンク系の駆動を効率的に行うため、モデル化とベンチマーク試験システムを用いて評価が行われた。評価結果に基づいて、アクチュエータの力加減を調整可能にする技術が開発された。これらをプレスリリースによってその革新性を広く公表し、特許出願も行った。また、ロボット駆動技術に関しては、新技術が力強さと繊細さを兼ね備えていることが、多様な接触条件を模擬した実験において実証された。これにより、空気と電気を用いたアクチュエータの融合による外乱に対する力制御の向上が明確になった。この進展は、「融合型ハイブリッド」という新たな設計コンセプトの提案に繋がり、このコンセプトは学術的にも、IEEE TMECHに採択されるなど、学術的のインパクトに繋がった。臨床実証の面では、脳卒中片麻痺患者を対象にした挙上訓練のための症例集積が順調に進んでおり、肩挙上動作のアシストの個別性に適応するパラメータ調整などが検討されている。これらの成果は、学会発表などを通じて公表した。以上により、当該年度の計画に必要なマイルストーンを達成しており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本研究で開発された空電ハイブリッドアクチュエータの技術は、上肢肩挙上支援において有効であることが示されており、アクチュエータの制御系のさらなるモデルの改良と最適化を進めることが必要である。現状は、アクチュエータ単体での制御であり、これをリンク系に組み込んだ際の、ダイナミクスの補償などについて検討を進める。実際の臨床環境を模した条件を取り入れ、ベンチマーク試験をさらに開発することで、より現実に近い使用状況での性能を評価することが必要である。また、臨床実証に向けて、理学療法士などのフィードバックを含めて、研究実施に取り入れていく。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (27件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 2件、 招待講演 14件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Fusion Hybrid Linear Actuator: Concept and Disturbance Resistance Evaluation2023

    • 著者名/発表者名
      Nakata Yoshihiro、Noda Tomoyuki
    • 雑誌名

      IEEE/ASME Transactions on Mechatronics

      巻: 28 号: 4 ページ: 2167-2177

    • DOI

      10.1109/tmech.2023.3237725

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 人の身体と融和するリハビリテーションロボットの研究開発2024

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      九州工業大学2023年度「生命体工学セミナー」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューロリハビリテーションを高度化するインタフェース・アシスト技術の研究開発2024

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      九州工業大学大学院生命体工学研究科2023年度「AARセミナー」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 臨床ニーズに合わせた歩行ロボットリハビリテーションの開発2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      リハビリテーション医療デジタルトランスフォーメーション研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 技術講演:身体をしなやかさにアシストするアクチュエータ技術2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      第1回アクチュエーション委員会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] VR・ロボット統合型リハビリテーション・生活訓練システム2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      活力ある社会を創る適応自在AIロボット群シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ロボットの身体拡張で運動感覚を思い出すニューロリハビリテーション2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      第21回日本神経理学療法学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 歩行ニューロリハビリテーションにおける暗黙知をデジタル化するインタフェースの研究開発2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之,寺前達也
    • 学会等名
      第41回日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 空間移動型免荷システムのための空気圧人工筋による体重免荷技術の開発2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之,寺前達也
    • 学会等名
      第41回日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] リアルタイムPythonモジュールPyxenoによるアシストロボットのインタフェース開発~システム構築から臨床導入まで~2023

    • 著者名/発表者名
      寺前達也,野田智之
    • 学会等名
      第41回日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ニューロリハビリテーションを効率化するAI・ロボットの開発2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      第5回日本再生医療とリハビリテーション学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューロリハビリテーションのための外骨格ロボット開発~臨床ニーズを実現するためのリアルタイム制御システム開発と臨床導入~2023

    • 著者名/発表者名
      寺前達也,野田智之,高井飛鳥,浅井飛鷹,津田彩乃
    • 学会等名
      ATRオープンハウス2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ニューロリハビリテーション効率化に向けたロボットと人工知能の役割2023

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      東北大学「日本の産業と科学技術」特別講義
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 上肢挙上運動をアシストする外骨格ロボットリハビリテーションによって機能改善を認めた1例2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤大将,福田森,細井雄一郎,野田智之,川上途行
    • 学会等名
      第57回日本作業療法学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 巧みなアクチュエーションの実現に向けた融合型ハイブリッドアクチュエータの研究開発2023

    • 著者名/発表者名
      仲田佳弘,野田智之
    • 学会等名
      電気学会 産業計測制御研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 人に優しくふるまえるロボットを目指して2022

    • 著者名/発表者名
      仲田 佳弘
    • 学会等名
      第11回高密度共役若手会オンラインセミナ
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 職人の丁度よい押しつけ力の再現に向けた一体構造空電ハイブリットリニアアクチュエータの開発2022

    • 著者名/発表者名
      仲田 佳弘, 野田 智之
    • 学会等名
      電気学会産業応用部門大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 上肢肩屈曲アシスト時の共同運動予測モデルを用いたアシスト率の最適化~脳卒中片麻痺患者によるフレームワークの実証~2022

    • 著者名/発表者名
      寺前達也,畠中めぐみ,神尾昭宏,平松佑一,古川淳一朗,宮 一郎,野田智之
    • 学会等名
      第40回日本ロボット学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Can robot assist user transparently?-- Development of neurorehabilitation and assistive AI/robot2022

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      Japanese-European Workshop on “Co-evolving AI and Robots towards 2050” (TBD)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 遠隔ニューロリハビリテーションのためのロボット開発~身体機能の個別性のモデル化とロボットアシストの最適化~2022

    • 著者名/発表者名
      寺前達也,野田智之,高井飛鳥,浅井飛鷹
    • 学会等名
      ATRオープンハウス2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Pneumatic air muscle- and cable-driven exoskeleton robots for post stroke neurorehabilitation2022

    • 著者名/発表者名
      野田智之,寺前達也,高井飛鳥
    • 学会等名
      IROS 2022 RSJ-SICE-Technical Tour
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ニューロリハビリテーション効率化に向けたロボットと人工知能の役割2022

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      東北大学「日本の産業と科学技術」特別講義
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューロリハビリテーションの高度化を実現するためのアシストロボット2022

    • 著者名/発表者名
      野田智之
    • 学会等名
      関西医学大学「リハビリテーション工学」講義
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューロリハビリテーションを実現する外骨格ロボットおよび介入エンジンの開発2021

    • 著者名/発表者名
      野田 智之
    • 学会等名
      日本交通医学工学研究会第30回学術総会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] パネルディスカッション「リハビリテーションの未来とセラピストの役割」2021

    • 著者名/発表者名
      野田 智之
    • 学会等名
      奈良学園大学オープンキャンパスパネルディスカッション
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 脳とロボットをつなぐ最先端のリハビリテーションとセラピストの未来2021

    • 著者名/発表者名
      野田 智之
    • 学会等名
      奈良学園大学オープンキャンパス特別講義
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [産業財産権] 制御装置、制御方法、及び制御プログラム2023

    • 発明者名
      野田智之,仲田佳弘
    • 権利者名
      (株)国際電気通信基礎技術研究所,電気通信大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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