研究課題/領域番号 |
21H04913
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
飯山 将晃 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (70362415)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,210千円 (直接経費: 31,700千円、間接経費: 9,510千円)
2024年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2023年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2022年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 深層学習 / 物理モデル / 海況データ / 時系列予測 / 海洋気象データ / 気象データ |
研究開始時の研究の概要 |
物理モデルと機械学習を統合した精密で高精度な気象予測技術の開発を目的とする.本研究では対象として,海洋気象の短期予測を取り扱う.代表者らがこれまでに取り組んできた散乱モデルとコンピュータビジョンを統合した技術の研究で得られた知見に加え,海洋気象データと水産データを用いた機械学習手法の研究で得られた海洋気象に関する知見を用い,物理法則から逸脱せず高精細で高精度の短期気象予測を実現するアプローチを提案する.
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研究実績の概要 |
本年度は,深層学習による水温予測の高精度化,特に「物理学的に妥当である」ことを予測モデルに組み込むことや散乱等の物理現象を予測モデルに取り入れることを目的に研究開発を進めた.また,研究開発に必要なデータについても継続的に取得・整理を行った.具体的には以下の項目について研究開発を行った. (1)敵対的学習による物理学的妥当性を反映した海面水温の予測手法の開発.昨年度取り組んだ敵対的学習による現在の海面水温推定手法を時系列予測に発展させた手法の開発に取り組んだ.東北沿岸エリアでの実験により一定の性能が得られることを確認した.(2) 散乱モデルを用いた衛星観測からの海面水温推定.昨年度取り組んだ敵対的学習による現在の海面水温推定手法に対して,さらに散乱による観測ノイズを考慮したモデルの開発に取り組んだ.(3) 複数のディスクリミネータを用いた海面水温観測・推定のdenoisingと高精細化.画像超解像と欠損修復を合わせたモデルを開発し,時間超解像と空間超解像を実現するモデルを開発した. いずれも,海洋環境の予測・高精細化に対してデータドリブンなアプローチ+物理法則の組み合わせを試みたものであるが,現時点では従来の深層学習ベースの手法と比較して大きな性能改善には繋がっておらず,さらなる改良が必要である. また,水温予測以外のタスクとして海洋環境データから生態系の予測を行うモデルについても開発を行った.これは,時系列パターンである海洋環境データから同じく時系列パターンである生態系マップを生成する深層学習モデルであり,本研究の目的である海洋気象予測への拡張が可能なモデルである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
深層学習モデルによる水温予測について,敵対的学習ベースの手法については一定の性能向上が見られたものの,物理法則をより直接的に導入したモデルについては十分な性能が得られていない.昨年度までの成果により,時系列的な予測ではなく空間的な補間については成功しているため,今後は空間的な補間結果を活用した手法改良が必要となる.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように,当初のアイデアでは十分な性能向上が達成できないことが判明した.その一方で,近年,自然画像・動画の分野で時系列予測の技術が向上しており,この知見を取り込むことによって目標性能を達成することを目指す予定である.
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