研究課題/領域番号 |
21H04923
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福井 大 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (60706670)
|
研究分担者 |
松井 孝典 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30423205)
赤坂 卓美 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (40748357)
飛龍 志津子 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70449510)
平尾 聡秀 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (90598210)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2023年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2022年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2021年度: 20,410千円 (直接経費: 15,700千円、間接経費: 4,710千円)
|
キーワード | コウモリ / 再生可能エネルギー / バットストライク / 移動経路 / 音声モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、風力発電施設とコウモリ類の衝突死が問題となっており、効果的な対策が必要であるが、そのための生態分布情報基盤と技術基盤が欠落している。 そこで以下の4項目について研究に取り組み、風力発電施設におけるコウモリ類衝突リスク低減のための生態分布情報基盤と技術基盤を提供する。1)コウモリの分布推定。2)コウモリの飛翔高度と経路特性の解明。3)コウモリの季節的な活動パターンと気象環境条件の関連性の解明。4)音声種識別方法の構築と実装化。 本研究成果により、風力発電施設に係る効果的な環境影響評価技術・手法の共有と適切な衝突リスク低減対策の構築を通じ、再エネの導入加速化・生物多様性保全への貢献が期待される。
|
研究実績の概要 |
近年、風力発電施設とコウモリ類の衝突死が問題となっており、効果的な対策が必要である。そこで、風力発電施設におけるコウモリ類衝突リスク低減のための生態分布情報基盤と技術基盤を提供するために以下の4項目について研究に取り組んだ。 1)コウモリの分布推定:既存のデータベース(EADAS)に未収録の既存文献データを探索し、それらの位置情報を入力した。EADASと統合したものを分布データベースとした。この分布データと気象・地形・土地利用など広域データから、最大エントロピー法による生態ニッチモデルを構築した。 2)コウモリの飛翔高度と経路特性の解明:採餌移動経路の特性を明らかにするために、ヤマコウモリをモデル種とし、北海道旭川市において小型GPSデータロガーを用いて採餌移動時の位置情報を取得した。また、上記調査と同時期、同一箇所において、飛翔高度を明らかにするためにマイクロフォンアレイシステムにより飛翔高度の定点計測を行なった。 3)コウモリの季節的な活動パターンと気象環境条件の関連性の解明:日本全国のおよそ過去10年の風況データを高解像度(およそ400m×400m)で集計し、各メッシュの平均風速や4000Kwの風車の年間の発電量を各メッシュ毎に推定した。また、日本全国の高所における音声データの整理を開始し、コウモリ類の活動量を定量化のためのフレームを構築した。 4)音声種識別方法の構築と実装化:研究代表者が収集した日本産コウモリ類の参照音声データからFFTによりエコーロケーションコールのスペクトログラムデータベースを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
音声モニタリングは自動音声録音装置を、音声による種の識別の基礎システムはワークステーションを用いて行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症流行に伴う半導体供給不足による実験装置の大幅な納期遅延が発生したことから、一部の調査及び実験が令和3年度に実施できなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
1)コウモリの分布推定については順調にデータ整備及び解析が進んでいるため、計画通りにデータの補完および解析の精緻化を進めていく。 2)コウモリの飛翔高度と経路特性の解明については、順調にデータ取得が進んでいる。引き続きデータ取得を進め、解析に取り組む。北海道旭川市以外でのデータ取得も検討し、地域差を考慮できるようにする。 3)コウモリの季節的な活動パターンと気象環境条件の関連性の解明:整備したデータをもとに解析を進める。 4)音声種識別方法の構築と実装化:軽量なmobilenetや高性能なaudio transformerなど各種アーキテクチャによるモデルを実装し、コウモリやその他の種々の生物の音声モニタリングを実施する環境を設計する。
|