研究課題/領域番号 |
21H04949
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山下 信義 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (40358255)
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研究分担者 |
谷保 佐知 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (00443200)
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 専任教授 (60311544)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
41,210千円 (直接経費: 31,700千円、間接経費: 9,510千円)
2024年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2023年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2022年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | PFAS / アジア / 農業 / 化学汚染 / ペルフルオロオクタンスルホン酸 / 残留性有機汚染物質 / PFOS / 農産物 / 農業環境汚染 / 国際比較 / 環境修復技術 / ペルフルオロアルキル化合物 / 農業環境 |
研究開始時の研究の概要 |
POPs条約規制対象有害物質のペルフルオロアルキル化合物(PFAS)等の農産物耕作環境での挙動解析と吸収量低減のための耕作条件を明らかにする。特に我が国と異なる気候域のインド・中国・韓国との国際比較も行い、どのような耕作環境・文化的要因がPFASの農産物吸収現象を支配しているのかを明らかにする。これにより欧米では見過ごされてきた、コメなど、アジア特有の農産物経由人暴露リスク評価を行う。
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研究実績の概要 |
カドミウム・水銀等の農産物への吸収抑制技術は開発されているが、残留性有機汚染物質(POPs: Persistent Organic Pollutants)についての知見は大きく不足している。特に最近確認されたPOPs条約規制対象有害物質のペルフルオロアルキル化合物(PFAS)がイネ・白米へ吸収される現象は、アジア農産物におけるPFAS暴露リスク評価の緊急性を明らかにした。 本研究では「イネ・白米へのPFAS吸収現象と稲わらリサイクルによるPFAS汚染の長期化」の追試を目的として、ライシメーターと実際の圃場の両方でイネの生長過程・収穫プロセス(籾・脱穀・精米)ごとにPFASの吸収現象の詳細解析を行い、論文発表した。2019年に確立した最新の国際標準分析法ISO21675を用いて信頼性の高い測定値を拡充した。水・土壌・植物体中の39種類のPFAS一斉分析技術はISO21675として確立済みであり、新たに大気中粒子・ガスのPFAS一斉分析を可能にするOrbitrap高分解能質量分析計を用いた新技術を開発、論文発表した。さらに世界初の大気中PFASのマスバランス解析技術をインパクトファクター10.8の高引用係数論文として国際誌に発表することができた。 また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果も論文発表した。さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発し、論文発表した。本年度は多数の成果の論文発表に成功しており、特にPFAS環境修復技術については社会的に即効性の高い研究成果として、今後の発展が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では「イネ・白米へのPFAS吸収現象と稲わらリサイクルによるPFAS汚染の長期化」の追試を目的として、ライシメーターと実際の圃場の両方でイネの生長過程・収穫プロセス(籾・脱穀・精米)ごとにPFASの吸収現象の詳細解析を行い、論文発表した。2019年に確立した最新の国際標準分析法ISO21675を用いて信頼性の高い測定値を拡充した。水・土壌・植物体中の39種類のPFAS一斉分析技術はISO21675として確立済みであり、新たに大気中粒子・ガスのPFAS一斉分析を可能にするOrbitrap高分解能質量分析計を用いた新技術を開発、論文発表した。さらに世界初の大気中PFASのマスバランス解析技術をインパクトファクター10.8の高引用係数論文として国際誌に発表することができた。 また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果も論文発表した。さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発し、論文発表した。本年度は多数の成果の論文発表に成功しており、特にPFAS環境修復技術については社会的に即効性の高い研究成果として、今後の発展が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
また土壌ダスト中PFASのインド全国調査の結果を拡充し、アジア農業におけるPFAS汚染の実態把握を試みる。 さらに、スウェーデン農業科学大学(SLU)より派遣されたJSPSフェローと協力して行った、耕作土壌中のPFASの環境修復技術について、液状活性炭を用いた全く新しい環境修復技術を開発しており、これを発展させて、国内PFAS汚染問題を解決できる新技術開発を試みる。
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