研究課題/領域番号 |
21H04956
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
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研究分担者 |
大高 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00317257)
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
上原 信太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (30725130)
ゴメスタメス ホセデビツト 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60772902)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2024年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2023年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
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キーワード | 脳電気刺激 / 支援ソフトウェア開発 / リハビリテーション / 機械学習 / 脳電気・磁気刺激 / 運動誘発電位 / 脳刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
脳へ電気刺激を与える「電気薬学」に立脚した医療応用に期待が高まっている。しかし、脳への電気刺激の作用機序は明らかではなく、効果の個人差も大きく、小脳を含む脳深部への標的刺激は容易ではない。医用画像から患者個人の刺激を抽出し、脳卒中患者ごとの最適電極位置、注入電流パラメータなどを最適化する手法を、物理計算と機械学習の融合により実現、さらに実験的検証を行う。
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研究実績の概要 |
○MR画像を用いた脳内電流分布シミュレーション 患者個々人を対象とした最適刺激ソフトウェア開発を念頭に入れ、昨年度構築した電気的頭部モデルに電極の位置および形状の添付を変化させるインターフェイスを開発した。特に、個々人の組織構成、電極の配置、電極の大きさなどに対するシミュレーションを実施し、計算物理モデル実験において、何が脳内誘導電流密度に影響を与えるかについて考察した。また、臨床研究で重要となる運動野周辺に誘導される電流ばらつきについて統計処理を行うものとする。特に、下肢を対象とし、やや深い位置を刺激した場合のばらつきについて考察した。 ○健常者を対象とした脳内電流分布と最適刺激パラメータの実験的検証 運動誘発電位による一次運動野への刺激有効性の検証を実施した。特に、物理シミュレーション解析で示された一次運動野付近における電流密度の個人差と、tESによる運動皮質興奮性増大の個人差の相関について検証した。一次運動野へのtES実施前後に、磁気刺激により誘発されるMEPを計測し、運動皮質興奮性増大の個人差を評価する。その結果、両者には非線形が存在する可能性があることが示唆された。 ○行動実験による検証 物理シミュレーションで示された一次運動野付近における最大電流密度の個人差が、tESによる運動課題成績に対する促進効果の個人差と合致しているかを検証する。健常者を対象とした一次運動野へのtES実施前後に運動課題(系列指運動課題が候補)を実施し、課題成績の個人差を評価する。2番目の項目と関連し、脳卒中患者の運動誘発電位について分析を行い、波形に大きな相違があることなどを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた項目、特に計算による分析についてはおおむね達成できている。一方、コロナ禍であったこともあり、被験者実験は開始したものの、やや遅れがみられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までの研究から継続し、同様に被験者を対象とした実験およびその計算モデル化による最適刺激の実現を目指す。 臨床研究で重要となる運動野周辺に誘導される電流ばらつきについて統計処理を行うものとする。さらに、機械学習を用いることにより、効率的な実装を目指す。また、これまで、運動野への刺激が中心であったが、それ以外の領域を刺激した場合の刺激効果の個人差を検証する実験を行う。ここでは様々な精神神経疾患、脳血管障害のターゲットとなることが多い前頭前野を取り上げる。脳卒中患者を対象とし、計算物理モデルで示された前頭前野付近における最大電流密度の個人差が、tESによる前頭前野、小脳刺激に与える影響について評価、これらの結果を統合し、最適刺激支援ソフトウェアの開発を目指す。
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