研究課題/領域番号 |
21H05043
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分H
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 潔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20309446)
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研究期間 (年度) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
189,280千円 (直接経費: 145,600千円、間接経費: 43,680千円)
2024年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2023年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2022年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2021年度: 42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
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キーワード | 粘膜免疫 / 糖鎖 / 消化管 / 糖転移酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患は、腸管の粘膜免疫システムが腸内細菌を攻撃することが病態の実態である。しかし、健康な状態で粘膜免疫システムが腸内細菌を認識することなく、腸管恒常性が維持されるメカニズムは明らかになっていない。これまで腸管恒常性の維持に関わることが明らかになっているタンパク質が糖鎖修飾を強く受けたものが多いことから、糖鎖修飾が腸管恒常性維持において重要な役割を担っていることが考えられる。そこで、消化管上皮に選択的に発現する糖転移酵素に着目し、これらの酵素および標的糖鎖の腸管恒常性維持における機能を解析し、糖鎖修飾という新たな視点から、腸管恒常性維持機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
昨年度までにB3galt5、St6galnac6 KOマウスが、腸管炎症に高感受性であること、粘液層が非薄化していることを見出しており、大腸粘液バリアの障害が示唆された。今年度はそのメカニズムを、Muc2糖鎖の脱シアリル化が大腸粘液層の物性やネットワーク構造に与える影響を中心に解析した。シアル酸は陰性電荷を有し親水性を供与する事が報告されているため、初めに野生型マウスならびに両KOマウスから大腸ムチンを精製し、膜電気泳動法によって脱シアリル化によるMuc2分子の電荷への影響を解析したところ、両KOマウス由来のMuc2は陽極側への泳動度が減少しており,脱シアリル化により陰性電荷が減少している事が示唆された。次に粘液層の弾力性を原子間力顕微鏡で評価した結果,両KOマウスでは粘液層が硬くなり,潤滑性の低下が認められた。最後に大腸の粘膜表面に存在する粘液層を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、KOマウスのムチンのネットワーク構造を評価した。野生型マウスの粘液層ではMuc2による多方向性のネットワーク構造が形成され,細菌の侵入を防いでいる像が観察される一方で、両KOマウスではそのネットワーク構造が特定の方向に配向し、細菌が配向性のあるMuc2ポリマーの間から侵入している像が観察された。これらの結果から、B3galt5とSt6galnac6という二つの糖転移酵素を介したMuc2糖鎖のシアリル化によって、Muc2分子の親水性が向上し、それによって粘液層の潤滑性やネットワーク構造が維持され,大腸粘液層のバリア機能が維持されるメカニズムが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
B3galt5、St6galnac6の機能解析により、ジシアリルルイスA糖鎖構造の腸管恒常性維持における役割を計画通りに明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
大腸上皮に選択的に発現する糖転移酵素としてB3galt5、St6galnac6の機能を解析してきた。さらに、Chst4が大腸上皮に選択的に高発現する糖転移酵素として同定している。本酵素は、糖鎖に硫酸基を付加する。そこで、Chst4の機能を中心に解析し、糖鎖への硫酸基付加の意義を明らかにしていく。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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