研究課題/領域番号 |
21H05050
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分I
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
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研究期間 (年度) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
189,280千円 (直接経費: 145,600千円、間接経費: 43,680千円)
2024年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2023年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2022年度: 36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2021年度: 42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
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キーワード | 腎臓発生 / 間質前駆細胞 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓は3つの前駆組織の相互作用によって形成される複雑な臓器である。申請者は、そのうち二つの試験管内誘導法を開発済みである。本計画では、3つ目の間質前駆細胞の誘導法を開発し、他の二つと組み合わせることによって、多能性幹細胞(マウスES細胞とヒトiPS細胞)から腎臓本来の高次構造を再構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
腎臓はネフロン前駆細胞、尿管芽、間質前駆細胞という3つの前駆組織の相互作用によって形成される。申請者はこれまでに、マウスの発生学的知見に基づいてマウスES細胞及びヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞と尿管芽の試験管内誘導法(腎オルガノイド作製法)を報告してきた。そこで本計画では、3つ目の間質前駆細胞の誘導法を開発し、前2者と組み合わせることによって、分岐構造の周囲に機能ユニットが配置された腎臓本来の高次構造を再構築することを目的とする。これに際してマウスとヒトの種差を解明することによって、ヒトでこれを達成する。さらに移植によって血流・尿路を確保して成熟させ、尿を産生して排出するという腎臓機能をオルガノイドに獲得させる計画である。本年度は以下の研究を行った。
1.マウス間質前駆細胞の誘導と全てマウスES細胞由来の腎臓高次構造の作製:間質前駆細胞の誘導をマウスで先行して行った。複数のCreERマウスを用いて間質細胞の系譜解析を行うとともに、発生時期を追ってsingle cell RNAシークエンス (scRNA-seq)を実施し、各段階で発現するマーカーやシグナル分子を同定した。この情報に基づいて間質前駆細胞をマウスES細胞から誘導し、同じくES細胞由来のネフロン前駆細胞、尿管芽と組み合わることによって、全てES細胞由来の腎臓高次構造を構築した。 2. ヒト間質前駆細胞の誘導:ヒト腎臓のscRNA-seqデータに基づいて、間質前駆細胞で発現するマーカーやシグナル分子を同定した。この情報を用いて間質前駆細胞をヒトiPS細胞から誘導した。それを遺伝子発現と腎臓構造構築能で検定することによって、誘導条件を改善中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
間質前駆細胞をマウスES細胞から誘導し、他の2つの前駆細胞と組み合わせることによって、全てES細胞由来の腎臓高次構造構築に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト iPS細胞から誘導した間質前駆細胞を遺伝子発現と腎臓構造構築能で検定することによって、誘導条件を改善していく。その上で高次構造を持ったヒト腎臓を作製する。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A+: 研究領域の設定目的に照らして、期待以上の進展が認められる
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