研究課題/領域番号 |
21H05051
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分I
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
片岡 圭亮 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90631383)
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研究分担者 |
木暮 泰寛 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (40782389)
冨樫 庸介 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80758326)
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研究期間 (年度) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
186,680千円 (直接経費: 143,600千円、間接経費: 43,080千円)
2024年度: 38,610千円 (直接経費: 29,700千円、間接経費: 8,910千円)
2023年度: 56,030千円 (直接経費: 43,100千円、間接経費: 12,930千円)
2022年度: 46,800千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 10,800千円)
2021年度: 24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / CRISPRスクリーニング / シングルセル解析 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性リンパ腫は、様々な病型を含む不均一な疾患であり、近年、様々な遺伝子異常が同定されてきた。しかし、多くの異常の生物学的な意義は未だ不明のままである。本研究では、申請者がこれまでに同定した異常を中心に、CRISPRスクリーニングや単一細胞マルチオミクス解析技術など最先端の技術を応用することで、リンパ腫で認められる遺伝子異常の詳細な分子機構・生体内における役割・微小環境に与える変化の解明を実施する。
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研究実績の概要 |
悪性リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)や、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)、節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKTL)などを含む不均一な疾患である。近年、リンパ腫においても遺伝子異常の全体像が解明され、様々な新規異常が同定されてきた。しかし、多くの異常の生物学的意義、特に、その分子機構や生体内でリンパ腫発症に果たす役割、微小環境に与える変化は不明のままである。本研究では、申請者が同定した異常を中心に、リンパ腫で認められる遺伝子異常の詳細な分子機構・生体内における役割・微小環境に与える変化を解明するために、A.申請者の遺伝子解析研究で同定された異常の分子機能の解明・疾患動物モデルの解析、B.生体内CRISPRスクリーニングによるリンパ腫発症に寄与する遺伝子異常の高効率な検証、C. CRISPR制御部位スクリーニングによるB細胞リンパ腫特異的PD-L2発現制御機構の解明、D.単一細胞マルチオミクス解析のマウスリンパ腫モデルへの応用とリンパ腫微小環境の解明、E.ヒト検体由来の網羅的遺伝子解析データを用いた臨床応用の可能性の探索、を実施した。 本年度は、項目Aでは、ENKTLで高頻度に異常が認められるTP53およびMSNの欠失マウスの解析を行った(Y Ito, Cancer Res, 2024)。項目Bでは、DLBCLで認められる異常も対象として生体内CRISPRスクリーニングを実施し、様々な造血器腫瘍の発症・進展に関与する遺伝子を同定した。特に、標的遺伝子と全エクソン解析により同定された二次的異常の協調関係を明らかにした。項目Dでは、単一細胞マルチオミクス解析のマウスリンパ腫モデルへの応用し、ENKTLを再現するマウスモデルの腫瘍微小環境の解析を行った。項目Eでは、項目Bで見出された協調関係に関するヒトDLBCL遺伝子解析データの検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究も目的を遂行するために計画したA~Eの項目について、当初予定よりも早く進捗している。それらの結果、生体内でリンパ腫発症に関与する遺伝子異常の協調関係の同定やENKTLマウスモデルの解析、シングルセル解析を用いたリンパ腫微小環境の解析などが進んでいる。さらに、MSN欠失マウス解析に関しては、今年度Cancer Res誌に報告することができた。そのため、当初の計画以上に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定以上に順調に進展しているため、現在の方針を引き続き継続して研究計画を実施する。翌年度は、項目Aでは、リンパ腫(特にDLBCLとENKTL)で認められた異常を反映する動物モデルの免疫系・造血系の表現型/病態解析を継続する。さらに、ENKTLで認められた異常に関しては、EBウイルスがコードするLMP1を発現するマウスと掛け合わせて解析する。腫瘍に関しては、全エクソン解析による遺伝子変異やコピー数異常の同定や、RNAシーケンスによる発現解析などを行うことで、腫瘍細胞の遺伝子異常や遺伝子発現の変化を評価する。また、上記の解析により同定された分子の阻害剤などを投与することで薬剤スクリーニングを実施し、新規治療の開発を検討する。項目Bでは、これまでにDLBCLで認められる異常も対象として生体内CRISPRスクリーニングを実施し、様々な造血器腫瘍の発症・進展に関与する遺伝子を同定した。本年度は、同定された遺伝子機能の確認を行うと同時に、遺伝子異常ごとの分子病態や薬剤感受性の違いを解明する。また、生体内CRISPRスクリーニングで見出された協調関係に着目し、RNAシーケンスによる遺伝子発現プロファイルの評価やATACシーケンスによるエピゲノム評価を通して、その分子病態を明らかにし、新規治療戦略の構築を試みる。 項目Dでは、本年度は、単一細胞マルチオミクス解析のマウスモデルへの応用を継続する。特に、ENKTLを模倣する動物モデルにおいて単一細胞マルチオミクス解析を実施し、腫瘍微小環境との相互作用を明らかにする。項目Eでは、他の項目に関連したヒト検体由来の網羅的遺伝子解析データの検討を継続する。
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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