研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、将来の気候変動予測に役立てるために、過去の間氷期に発生した急激な寒冷化イベントの原因を明らかにすることである。特に、地磁気が弱化する時に、宇宙線入射量が増加することに起因して寒冷化が発生するという「スベンスマルク効果」に注目し、地磁気が弱まる地磁気逆転が発生した時代の気候変動を解析する。過去の間氷期に形成された海成層である、下総・上総層群を研究対象とし、バイオマーカーを分析することで、気候変動について詳細に復元する。同時に、宇宙線生成核種の濃度と古地磁気強度の分析を行うことで、銀河宇宙線入射量の変動を復元する。
本研究の目的は、将来の気候変動予測に役立てるために、過去の間氷期に発生した急激な寒冷化イベントの原因を明らかにすることである。地磁気が弱化する際に宇宙線入射量が増加する現象に起因する環境変動や生態系変動に注目し、地磁気が大きく弱まった過去の地磁気逆転期の気候変動を解析する。具体的には、過去の間氷期に形成された海成層である、下総・上総層群を研究対象とし、バイオマーカーを分析することで、古気候変動を詳細に復元する。同時に、宇宙線生成核種の濃度と古地磁気強度の分析を行うことで、銀河宇宙線入射量の変動を復元する。2022年度は、主に3つの研究を行った。①海洋酸素同位体比ステージ31に相当する、上総層群大田代層の試料に対して宇宙線生成核種(10Be)の分析を行った。その結果、地磁気逆転前後に地磁気強度が弱まった傾向が確認された。同層準では、バイオマーカーに基づく古気候復元記録を出版済み(Kajita et al., 2021 Communications Earth and Environment)であるが、さらに時間分解能の高い記録を作成するべく、追加の試料採取を行った。②海洋酸素同位体比ステージ19に相当する、上総層群国本層(千葉複合セクション)バイオマーカー解析を行い、結果に関する論文を執筆した。③昨年度に投稿済みであった、海洋酸素同位体比ステージ5, 7, 9, 11に相当する下総層群のバイオマーカー古環境復元の研究について、査読対応を行い、Progress in Earth and Planetary Science誌に掲載された。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
巻: 609 ページ: 111310-111310
10.1016/j.palaeo.2022.111310
Progress in Earth and Planetary Science
巻: 9 号: 1 ページ: 1-13
10.1186/s40645-022-00499-y
Communications Earth&Environment
巻: 2 号: 1 ページ: 1-9
10.1038/s43247-021-00154-2