研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、大量破壊兵器の拡散の「順序」が拡散の帰趨にもたらす影響を分析する試みである。すなわち、大量破壊兵器の保有を志向するアクターが、核兵器、生物兵器、化学兵器のうち「どのタイプの大量破壊兵器から手を出すか」が拡散の成否を左右するのではないかという問題意識の下、(1)兵器の拡散についての網羅的なデータ作成、(2)拡散の順序と帰結の間の因果関係の分析、という主に二つの作業に取り組む。
本研究は、大量破壊兵器(核兵器、化学兵器、生物兵器)の拡散の「順序」に着目した動態的な理論構築と実証分析を目的としたものである。具体的には、大量破壊兵器の保有を志向するアクターが、核兵器、生物兵器、化学兵器のうち「どのタイプの大量破壊兵器から手を出すか」が拡散の成否を左右するのではないかという問題意識の下で、軍縮不拡散分野における新たな理論枠組みの提示を試みる。2021年度は本研究プロジェクトの1年目にあたるが、申請者の就職によりプロジェクト自体の採用期間が1カ月間のみで終了したこと、加えて、その後も立て続けに別の研究機関への就職が決まったことから、年度内に十分な研究活動を行うことが難しかった。しかしながら、理論仮説の精緻化、実証作業のためのデータ収集と整備については、進捗が十分でないながらも研究計画通りに着手することができた。また、その過程で大量破壊兵器の追求国とその拡散を防ごうとする国際社会側との間の戦略的相互作用に関して新たな理論的着想を得たことは、重要な進展と言える。また、受入研究機関における活動中、既に本プロジェクトの申請時点より深めていた関連研究の査読付き国際雑誌への投稿論文がアクセプト(掲載決定)された。さらに、年度を通しての成果としても査読付き国際雑誌に論文が1本アクセプトされたこと、年度末に国際学会での報告を行ったことから、全体として一定程度の成果を残すことはできたと考える。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Politics & Policy
巻: forthcoming 号: 2 ページ: 274-297
10.1111/polp.12461
Journal of Peace Research
巻: forthcoming 号: 6 ページ: 828-843
10.1177/00223433211053187