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フランスの古典主義時代から啓蒙時代にかけての絵画論における観者の位置をめぐる研究

研究課題

研究課題/領域番号 21J10244
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分01050:美学および芸術論関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

村山 雄紀  早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード美学・美術史 / 絵画言説史 / フランス古典主義絵画論 / ロジェ・ド・ピール / ドニ・ディドロ / 思想史 / フランス古典主義時代 / フランス啓蒙思想時代 / アンドレ・フェリビアン / 観者
研究開始時の研究の概要

18世紀パリのサロン展ではコード化された絵画の意味や主題を理解する目利きや専門家だけではなく、画布の感性的魅力を感覚的に享受する公衆が跋扈することにより、同時代の絵画言説史は王権の顕彰に奉仕する画家の論理だけではなく、作品に対峙する観者の反応についても記述するようになった。本研究の目標は、フランスの古典主義時代から啓蒙思想時代にかけての絵画言説史を「化粧」「瞬間」「機械」といった切り口から通時的に分析することにより、絵画論同士の共時的な関係性を浮き彫りにすることである。また同時に、王権の顕彰から観者の受容へと至る移行を、観者への「効果」というプリズムを通して剔抉することを目指すものである。

研究実績の概要

2022年度は、研究課題について、査読論文4本、非査読論文1本、書評1件、研究発表2件を公開した。査読論文3本のうち、2本は早稲田大学の『文学研究科紀要』と『WASEDA RILAS JOURNAL』に投稿し、残りの2本は学外の『日本18世紀学会年報』と『表象』に掲載決定することができた。非査読論文の1本は、2021年に急逝したフランスの哲学者であるジャン=リュック・ナンシーの追悼シンポジウムに招待され、そこでの発表原稿を改訂したものである。書評は、星野太『美学のプラクティス』について執筆し、表象文化論学会の『REPRE』に掲載された。研究発表2件のうち、1件は上述のジャン=リュック・ナンシー追悼シンポジウムでの発表であり、他の1件は美学会で発表したものである。
また、本年度は、若手研究者海外挑戦プログラムと特別研究員奨励費を併用して、フランスで在外研究を行った。そこでは主に、パリの国立図書館や国立美術史研究機関(l'INHA)で一次資料の調査を行った。その際に、特別研究員奨励費で購入したオーバーヘッドスキャナーを用いてOCRスキャンし、貴重な資料を日本に持ち帰ることができた。また、研究対象となる絵画作品を現地で実見し、特別研究員奨励費で購入したデジタル一眼レフカメラで高精細撮影を行った。これにより、絵画作品の細部をオリジナルの色感のまま確認することができるようになり、絵画論の記述内容と実際の絵画作品との照合作業をいつでも行うことができるようになった。さらに、在外研究期間には、国際的なルソー研究者であるガブリエル・ラディカ教授の指導の下、研究課題を大幅に進展させることができた。
また、本年度は渡名喜庸哲監訳で、ジャン=ピエール・デュピュイの『カタストロフか生か──コロナ懐疑主義批判』の第5章、第6章、第11章の訳出を担当し、共訳書を出版することができた。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 絵画は音楽のように ──王立絵画彫刻アカデミー「色彩論争」における音楽的諸相2023

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 68 ページ: 599-614

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ジャン=リュック・ナンシーの「素描」──王立絵画彫刻アカデミー「色彩論争」の観点から2023

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      Limitrophe

      巻: 2 ページ: 150-160

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 接触の瞬間 ──ロジェ・ド・ピールの絵画論における視覚と触覚の両義性をめぐって──2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      WASEDA RILAS JOURNAL

      巻: 10 ページ: 205-217

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] フェリビアンとド・ピールを中心としたフランス古典主義絵画論の射程──作者・自然・肖像2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      表象

      巻: 16 ページ: 187-201

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書 2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] アンドレ・フェリビアンの「記述」における「二重の宛先」2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 67 ページ: 669-686

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 17世紀後半から18世紀フランスの絵画論における系譜──フレアール、ド・ピール、ディドロ2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      表象・メディア研究

      巻: 12 ページ: 41-63

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 17世紀フランスの絵画論における「二重の宛先」2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 雑誌名

      哲学の探究

      巻: 49 ページ: 120-132

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 肖像・化粧・樹木──17世紀後半から18世紀フランスにおける肖像画と風景画の擡頭2023

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      2022年度第5回美学会東部会例会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ジャン=リュック・ナンシーの「素描」──王立絵画彫刻アカデミー「色彩論争」の観点から2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      (シンポジウム)プレイベント「ジャン=リュック・ナンシーの哲学──共同性、意味、世界」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 絵画は機械のように──ド・ピールの「全体的なまとまり」からディドロの「コンポジション」へ2022

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      近世美術研究会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 機械・調和・瞬間 ── 17世紀後半から18世紀フランスにおける絵画言説史2021

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 17世紀フランスの絵画論における「二重の宛先」2021

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      2021年度哲学若手研究者フォーラム オンライン開催
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 真実と詐術── ロジェ・ド・ピールの絵画論における「技巧」をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      村山雄紀
    • 学会等名
      表象文化論学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] 『カタストロフか生か──コロナ懐疑主義批判』2023

    • 著者名/発表者名
      ジャン=ピエール・デュピュイ
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      明石書店
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-03-26  

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