研究課題/領域番号 |
21J10331
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井上 奉紀 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 余剰次元 / 量子グラフ / トポロジカル物性 / インスタントン / ADHM構成法 |
研究開始時の研究の概要 |
身の回りの現象をミクロな視点から理解するためには,素粒子の振る舞いを正確に記述しなければならない.素粒子標準模型は成功を収めているが,いくつか記述できない問題があり,修正・改良が必要である.本研究では,(1)なぜ世代構造があり,世代数が3なのか?(2)なぜ世代間の素粒子の質量比は指数関数的なのか?(3)世代間の素粒子が相互作用する起源は何か?,という3つの問題の同時解決を目指す.これらの問題を解決可能な有力候補として,高次元の時空を考える余剰次元模型がある.本研究では特に,1次元として最も一般的な幾何をもつ量子グラフを1次元余剰次元とした模型を提案し,その可能性を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本年度は,量子グラフと呼ばれる1次元回路状の量子系を余剰次元とした模型を研究した.特に,この上の5次元Diracフェルミオンの質量スペクトルを解析した.量子グラフとは,線分と頂点で構成される量子系である.頂点では,様々な境界条件が許され得ることが特筆すべき特徴である.一般に余剰次元模型では,余剰次元方向の粒子の運動量が4次元からみたときの粒子の質量とみなせる.そして,その値や縮退度は余剰次元方向の境界条件に大きく依存することが知られている. 得られた結果は次のようなものである.量子グラフを余剰次元とする5次元時空上のDiracフェルミオンに対して,時間反転対称性,荷電共役対称性,パリティ対称性と量子グラフ方向の幾何学的対称性によって境界条件の分類を行うことができる.その際に得られた分類が,トポロジカル物性における0次元自由フェルミオン系の対称性によるハミルトニアンの分類と,非自明に対応しているといことである.また,余剰次元模型側で求まる,カイラルゼロモードの差やその個数の偶奇性は,トポロジカル物質の表面に現れ得るエッジモードの個数と対応していることがわかった.一見すると関係のないように思われる,トポロジカル物性と余剰次元模型との間に,量子グラフの境界条件を通して対応関係が得られたことは大きな結果である.そこで重要な働きをするのは,量子グラフの境界条件がトポロジカルな構造を持っているということであった.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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