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大腸がんの転移・再発を促進する膜タンパク質因子の機能解明と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 21J10379
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

森田 敦也  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード大腸がんモデル / 転移 / ドライバー遺伝子変異 / 腫瘍内不均一性 / ドライバー遺伝子
研究開始時の研究の概要

本研究は、大腸がんドライバー遺伝子変異の蓄積状態を再現することで腫瘍の発生から悪性化の進行を個体レベルで解析可能な病態モデルマウスを用いて、腫瘍細胞が肝臓へ転移する過程に機能する可能性のある膜タンパク因子の生物学的メカニズムの解明を目的とする。さらに、共同研究で取得した、膜タンパク因子の細胞外領域に特異的に結合する抗体を用いて、肝転移における促進性または抑制性の薬理活性を評価し、新規抗体療法の確立に向けた知見を得るため、研究を遂行する。

研究実績の概要

マウスの腸管上皮細胞に4つの大腸がんドライバー遺伝子変異(Apc, Kras, Tgfbr2, Trp53)を導入することで発生した腸管腫瘍(AKTP腫瘍)の肝転移機構を解明するため、初年度は膜タンパクTm4sf1の機能的関与に着目しノックアウト細胞を複数株樹立して転移能を検証してきたが、その発現状態に相関せず転移能に不均一性が認められた。近年のゲノム解析により、進行大腸がん内では不均一なゲノム異常が報告されているが、同一のドライバー遺伝子変異をもつ腸管腫瘍に着目した悪性形質の不均一性について実験検証した報告はない。そこで、このAKTP腫瘍内に転移能の不均一性が生じる機構を調べることで、進行大腸がんにおける転移機構の解明に繋がると判断し研究を推進した。そこで改めてAKTP腫瘍オルガノイドを長期間継代培養後、サブクローニングを行い合計24株樹立した。そして、それぞれ同種マウスの脾臓に移植し肝臓での増殖性を比較した結果、4つのドライバー遺伝子変異はサブクローン間で保たれているにも関わらず、高転移性の親株と比較し約30%のサブクローン株が肝転移能を消失していた。さらに非転移性サブクローン株はコラーゲンゲル培養下で増殖抑制を示し、転移能の異なるサブクローン株同士を共培養すると非転移性サブクローン株は全体の細胞集団から次第に減少する傾向にあった。この結果から細胞外マトリクスが豊富な生体内がん組織では、転移能が消失した細胞は消失することが示唆された。また非転移性サブクローン株では腸管上皮細胞の幹細胞制御に関与するLgr5やMybなどの遺伝子発現低下が認められ、幹細胞性の低下が転移能消失の原因の1つであると考えられた。本研究成果により、大腸がんの悪性化過程においてドライバー遺伝子変異の蓄積後も悪性形質を消失する腫瘍細胞が存在し、それらはネガティブ選択として排除される可能性が示された。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Frequent loss of metastatic ability in subclones of <i>Apc</i> , <i>Kras</i> , <i>Tgfbr2</i> , and <i>Trp53</i> mutant intestinal tumor organoids2023

    • 著者名/発表者名
      Morita Atsuya、Nakayama Mizuho、Wang Dong、Murakami Kazuhiro、Oshima Masanobu
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 114 号: 4 ページ: 1437-1450

    • DOI

      10.1111/cas.15709

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 同一の大腸がんドライバー遺伝子変異型に認められる肝転移能の不均一性について2022

    • 著者名/発表者名
      森田敦也, 中山瑞穂, 大島浩子, 大島正伸
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Clonal dynamics of the metastatic ability in intestinal cancer cells2021

    • 著者名/発表者名
      森田敦也
    • 学会等名
      第3回がん研若手コロキウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 進行した大腸がんが内包する転移能の不均一性2021

    • 著者名/発表者名
      森田敦也、中山瑞穂、大島浩子、大島正伸
    • 学会等名
      2021年度文部科学省新学術領域研究 先端モデル動物支援プラットフォーム 若手支援技術講習会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] がん組織で起こる高頻度な悪性化消失と ネガティブ選択による排除機構を発見

    • URL

      https://nanolsi.kanazawa-u.ac.jp/highlights/24186/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] がん組織で起こる高頻度な悪性化消失とネガティブ選択による排除機構を発見

    • URL

      https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/115209

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-03-26  

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