研究課題/領域番号 |
21J10556
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 吉史 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 金属有機構造体 / 構造欠陥 / 光触媒 / 過酸化水素 |
研究開始時の研究の概要 |
肥料や化学原料の元であるアンモニアを光エネルギーを利用して製造する光触媒的なアンモニア合成法が注目されている。これまでに酸素欠陥を導入した酸化物半導体系光触媒が本反応系に対して有効であることが報告されているが、光学特性や活性点である触媒表面の欠陥濃度に限界があるという課題がある。そこで、光学特性の制御ができ、酸化物クラスターの金属種が露出した構造を有する金属有機構造体(MOF)に着目した。本研究では、MOFの構造的利点を利用した多くの活性点導入だけでなく、MOFの化学的特性の制御の容易さを活用した高活性な新規光触媒の開発を目的とする
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研究実績の概要 |
本研究では、構造欠陥を導入した金属有機構造体(Metal-Organic Framework; MOF)光触媒の開発とその高活性化を目的としている。本年度は、前年度で確立した構造欠陥手法のさらなる応用展開とMOFの構造欠陥がもたらす光触媒活性向上要因の解明を行った。 ソルボサーマル合成時に酢酸を添加する欠陥導入手法を用いることにより、Hf系-MOFにおいても、リンカー欠陥を選択的かつ欠陥量を制御して導入することに成功した。本触媒を光触媒的過酸化水素生成反応へ適用したところ、MOF光触媒への構造欠陥の導入により、過酸化水素生成量が大幅に増加した。実験的検討と量子科学計算の結果から、リンカー欠陥による光触媒活性はリンカーの非放射性緩和過程の抑制に由来するものであると推察された。この結果は、既存研究で提唱されていた活性向上機構とは異なる新たなリンカー欠陥による光触媒活性向上機構を提案するものである。 さらなる高活性化を目的として、リンカー欠陥量を最適化したHf-MOFに対して、Ni助触媒の担持を行った。リンカー欠陥の導入と助触媒担持を組み合わせることで、相乗効果が発現し、過酸化水素生成量が著しく向上した。本触媒は、水を電子源とした過酸化水素生成反応に対して既存のMOF触媒を凌駕する性能を示すことを見出した。これは担持したNi助触媒がMOFで生成した励起電子-正孔の電荷分離を起こすことに加え、水の酸化反応における極めて高い過酸化水素選択性を持つためであると推察された。 以上のように、当該年度においてはリンカー欠陥手法の応用展開やさらなる高活性化に成功し、リンカー欠陥によるMOFの光触媒活性向上機構に関する新たな知見を提案した。これらの研究は、今後のMOF光触媒材料の開発に対してその設計指針を提供するものである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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