研究課題/領域番号 |
21J10587
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
野原 智裕 山形大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 固体高分子形燃料電池 / 高分子電解質膜 / フィラー / プロトン伝導性 / 表面改質 / 粒子共存制御ラジカル重合法 / フィラー充填膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、高プロトン伝導性能と自立膜として必要な強度を兼ね備えた電解質膜の作製に向け、フィラーとバインダーの混錬、膜作製法を確立する。フィラーの高性能化には、シェル高分子の均質な被覆が必須となる。被覆率90%以上を目指し、コア粒子表面官能基の選択的置換を実施する。また、高プロトン伝導性能と高強度が両立する自立膜の作製に向け、混錬法、膜作製法、熱プレス条件等の検討が必須である。さらに、単セルを構築し、電池性能評価を行い、得られた結果をフィラー作製、膜作製条件へのフィードバックを繰り返すことで最適な作製法を確立する研究である。
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研究実績の概要 |
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、クリーンエネルギーの一端を担う次世代エネルギー供給システムとして注目されており、その電解質膜には、極めて高いプロトン伝導性能を有するNafionが主に用いられてきた。しかし、このNafionは、高コスト(強酸による電極での白金触媒の使用が不可欠等)であり、代替材料の開発が課題となっている。この解決方策として、弱酸で構成された高プロトン伝導機構の構築がある。弱酸による高プロトン伝導は、1次元あるいは2次元方向での分子配向の精密制御によりプロトン伝導方向を限定する方法で実現されてきた。これらの手法は、プロトン移動経路を限定することで、プロトン伝導性能の飛躍的向上を図った点で独創的であった。しかしながら、これらの系では、プロトン伝導方向が実デバイスと異なる点や自立膜の作製が困難といった点で、課題を残してきた。 これら課題に対し、フィラー充填技術に着目し、フィラーにプロトン伝導性能を付与し、バインダー樹脂中へ分散させるだけで、プロトン伝導方向の制限と大面積での自立膜の作製が困難といった両課題を一挙に解決し得るフィラー充填型電解質膜を作製可能と着想し、実証した。具体的には、セルロースナノ結晶(CNC)表面に、ポリビニルホスホン酸(PVPA)とポリスチレン(PS)とのブロック共重合体(PVPA-b-PS)を被覆した機能化粒子(CNC@PVPA-b-PS)を作製した後、作製した機能化粒子を数種の汎用な樹脂へ充填したフィラー充填型電解質膜の製膜に成功した。これらサンプルのプロトン伝導度評価を行った結果、弱酸でありながら高いプロトン伝導度と温度に依存しない安定したプロトン伝導度が発現することを明らかにした。作製した膜を挿入した単セルを組み、駆動試験を行ったところ、直流電流の取り出しが可能で、実用的な膜であったことを見出した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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