研究課題/領域番号 |
21J10737
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 滉大 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 非従来型超伝導 / カイラル超伝導 / 七重項電子対 / 磁場侵入長 / 電子線照射 / 不純物効果 / 重い電子系超伝導体 |
研究開始時の研究の概要 |
ウラン系超伝導体では、時間反転対称性の破れたカイラル超伝導状態の実現が期待されている。このような超伝導状態では対称性の異なる複数の超伝導成分が縮退している必要があるが、そのような縮退した超伝導成分の存在に注目した研究例は少ない。そこで本研究では、結晶の対称性を下げることができる一軸歪み印加装置を用いて超伝導状態の縮退を解き、超伝導対称性の研究に用いられる磁場侵入長測定装置と組み合わせることによって、複数の超伝導成分や一軸歪みによる超伝導対称性の変化を検出する。
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研究実績の概要 |
本研究では、高精度磁場侵入長測定を通じて七重項電子対が期待されるHalf-Heusler超伝導体LuPdBiとカイラル超伝導体候補物質である重い電子系超伝導体UTe2の超伝導ギャップ構造を調べた。 LuPdBiは、電子線照射によってキャリア密度と不純物散乱を系統的に制御可能であることを明らかにした。さらに、電子線照射による超伝導ギャップ構造の変化を調べたところ、電子線照射によってノード構造が非単調に変化することが明らかとなった。この非単調な変化は、超伝導状態として一重項対と七重項対が混成しているモデルで説明することができる。以上の結果は、LuPdBiにおいて実際に七重項電子対が存在しており、一重項対と七重項対の比は電子線照射によって制御できることを示している。本研究は、従来の分類を超えた電子対状態が実現していることを示しており、超伝導状態の基礎的な理解を大きく発展させるものである。 UTe2は近年発見された新しい重い電子系超伝導体であり、様々な特異な超伝導物性が報告されていることから非常に注目を集めている。本研究では、微弱な磁場を三つの結晶軸方向に印加した場合の磁場侵入長を測定することにより、超伝導準粒子励起の異方性とポイントノードの位置の決定を試みた。その結果、各軸方向の磁場侵入長変化の温度依存性を冪関数でフィッティングしたところ、全ての方向で冪が2より小さくなることが明らかとなった。この結果は、UTe2において時間反転対称性の破れたカイラル超伝導状態が実現していることを強く示唆している。また、各軸方向への励起量を比較することにより、超伝導状態がB3u+iAu状態であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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