研究課題/領域番号 |
21J10799
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松木 彩星 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 位相復元 / 結合推定 / ヒルベルト変換法 / 同期転移 / 結合振動子 |
研究開始時の研究の概要 |
歩行障害では、脊髄神経の結合異常によって神経活動の同期が乱れる。本研究では、数理的アプローチによりその機構を解明する。位相モデルを用いると、振動現象を簡潔に記述することができ、さまざまな解析が可能になる。したがって、脊髄神経活動を位相モデルによって記述し、神経間の結合異常が同期状態に与える影響を解析することが有効である。従来手法では、同期した振動子間の結合を正しく推定できないことが、これまでの研究によって明らかになった。今後は、従来手法の問題点を明らかにした上で、結合を正しく推定するための新たな手法を開発する。そして、開発手法を用いて神経活動を解析し、歩行障害が生じる機構を解明する。
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研究実績の概要 |
脊髄神経系の結合異常によって同期が乱れるという現象が知られている。脊髄神経系のデータを解析するために、結合結合振動子系のシミュレーションデータからの結合推定を実施したところ、従来手法では同期した振動子間の結合を正しく復元できないという問題が明らかになった。そこで、従来手法の問題点を精査するとともに同期状態によらず結合を正しく復元するための手法を検討した。 結合振動子系を数理的に記述する代表的なモデルの一つは、各振動子の状態を「位相」という1次元の変数で表す位相モデルである。位相モデルは、簡潔で解析しやすいモデルとして知られている。そこで本研究でも位相モデルに基づいて結合を推定する。より具体的には、観測される振動信号から振動子の位相を復元し、位相をもとに振動子間の位相結合を推定するという2段階からなるアプローチをとる。 まず、振動信号から位相を復元するための従来手法であるヒルベルト変換法の復元誤差を詳細に解析した。そして、ヒルベルト変換法はノイズ等の位相変調に対するローパスフィルタ的作用を持つことを明らかにした。さらに、復元誤差を低減した「拡張ヒルベルト変換法」を提案した。位相復元に関するこれらの成果をまとめた学術論文をScientific Reportsで出版した。 次に、結合振動子のシミュレーションデータからの結合推定を実施し、ヒルベルト変換法を用いるとローパスフィルタ的作用の影響で、同期した振動子間の結合を正しく復元できないという問題があることを明らかにした。そして、拡張ヒルベルト変換法を使うことで、同期状態によらず正しく結合推定できることを示した。本手法により、結合の変化によって同期ー非同期転移が生じた系や、部分的に同期したクラスターを含む振動子ネットワーク系に対する正確な結合推定が可能になった。現在、結合推定に関するこれらの成果をまとめた学術論文の投稿準備中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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