研究課題/領域番号 |
21J10968
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
安倍 紘平 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 乾燥の速度過程 / 粒子安定化エマルション / 液滴変形と合一 / 乾燥による圧縮 / 膜形成の不均一性 / エマルション内の電荷密度 / 粒子間相互作用 / 乾燥 / 圧縮による変形と合一 / 電荷濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
水中に油滴が分散しており、かつ水と油との界面に固体粒子が吸着している粒子安定化エマルションには、ポーラス材料やフィルムの作製などへの工学的応用が期待されている。これらを作製する際にはエマルションを乾燥させるという工程が必要となるが、乾燥中、エマルションがどのような変化を辿るのか、その基礎的な知見はほとんど明らかになっていない。乾燥途中のエマルション内での油滴の形状や安定性は、上で述べたような製品の品質に影響する重要な因子だと考えている。そこで本研究ではエマルション内の固体粒子に着目し、固体粒子間の相互作用が、乾燥中の分散油滴の安定性/形状にどのような影響を与えるのか検証する。
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研究実績の概要 |
初年度は水中に不揮発性油滴が分散した液を乾燥させ、分散油滴の圧縮過程を観察したが、今年度は水中に固体微粒子が分散した液を乾燥させ、乾燥途中でおこる固体粒子の圧縮・充填過程に着目した。分散油滴は"柔らかい"ため連続相も水が蒸発して油滴が圧縮されると油滴が変形するのに対し、固体粒子は"固い"ため周囲の水が蒸発しても粒子は変形しない。 今年度は特に、気液界面の角度が粒子充填面の形状に及ぼす影響について検証した。先行研究では、粒子分散液の液滴乾燥では基板と気液界面とがなす接触角の大きさに応じて乾燥後の粒子膜形状に違いが生じることが分かっているが、気液界面の角度に応じて粒子膜の形状がどのように時間変化しているのかについては詳細な研究がなされてこなかった。成膜プロセスの質を制御するうえではこのような知見が必要不可欠であると考え、気液界面の角度を任意に設定したうえで粒子分散液を狭い流路内に閉じ込めて、乾燥による成膜過程を直接観察した。 その結果、乾燥初期では粒子膜は気液界面と平行に成長していたのに対し、乾燥が進むにつれて粒子充填面 (粒子膜と分散液との間の境界面) の角度は液流れ方向に対して垂直に変化した。このような現象が起こる原因として、傾いた粒子充填面によって粒子の流れる方向が変わり、流路の片側サイドに粒子が溜まりやすくなるためであると仮説を立てた。この仮説に基づき定量的な解析を行うと、流路の両サイドにおける成膜速度の差を精度良く記述できることを示した。本研究により、気液界面の初期形状だけでなく粒子充填面の傾き度合いも膜の最終的な形状を決めうる重要な因子であることを見出した。 以上の研究内容で、化学工学会の第88年会で発表を行い、また、現在物理化学分野の国際ジャーナルであるPhysical Chemistry Chemical Physics誌に投稿し、現在査読を受けている最中である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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