研究課題/領域番号 |
21J11016
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
城下 郊平 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2021年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 遺伝子編集 / 静止期 / CRISPR-Cas9 / 静止期維持培養 |
研究開始時の研究の概要 |
クローン性造血(CHIP)は、造血器腫瘍の発生母地となり、生命予後を悪化させる病態である。マウスモデルではCHIP関連遺伝子変異が造血幹細胞(HSC)に高い自己複製能を付与することが明らかとなっているが、その分子機序は不明な点が多い。本研究ではHSCに最適化した遺伝子編集法と骨髄環境を模倣した静止期維持培養を組み合わせて、CHIPの最初期段階である「自己複製亢進機序」の解明に取り組む。遺伝子変異毎に要求する微小環境因子を同定し、遺伝子間の相互作用解明や悪性化モデルの作成を目指す。さらにマウスで得られた知見をヒト臍帯血にも応用し、CHIPの病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
まず造血幹細胞(HSC)に最適化した遺伝子編集法の確立に取り組んだ。高サイトカイン・長時間の遺伝子編集前培養がRNPの核内移行性を改善し、遺伝子編集効率を向上させることを見出した。遺伝子編集後培養ではなく、遺伝子編集前培養が遺伝子編集効率を規定することを明らかにした。次に遺伝子編集後HSCの再静止期化を試みた。遺伝子編集後HSCを高アルブミン・低酸素・低サイトカインで規定される静止期維持培養環境で培養した。編集前培養で刺激され活性化状態にあった遺伝子編集HSCが7日間かけて再度静止期に戻ることを見出した。静止期維持培養後の遺伝子編集HSCは、古典的な増殖培養後の遺伝子編集HSCに比べて、新鮮HSCに類似した細胞表面マーカータイプ・遺伝子発現プロファイルを有していた。さらに競合的骨髄移植を行ったところ、増殖培養群に比べて高い移植後生着能・再構築能を維持していた。遺伝子編集後HSCの静止期再獲得という現象は、アデノ随伴ウィルス(AAV)を用いた相同修復(HDR)とヒト臍帯血HSCを用いた非相同末端結合(NHEJ)でも確認され、遺伝子編集後の培養条件を調節することで、HSCの細胞周期を体外で制御できることが明らかとなった。これまでHSCの静止期性(quiescence)の解析には主にマウスモデルが用いられてきたが、対象となる遺伝子数に制限があることやマウスモデルの樹立まで時間を要すること、さらにヒトへの応用性などの問題点があった。本研究で確立した遺伝子編集・培養プラットフォームはHSCの静止期性研究において有用な解析ツールとなりうる。この遺伝子編集プラットフォームを用いて、クローン性造血(CHIP)関連遺伝子変異を導入したHSCの動態を解析したところ、7日間という短期間では有意な差は見られず、今後培養環境の最適化や培養期間の延長などが必要である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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