研究課題/領域番号 |
21J11325
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 圭太 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | DNA / 金属錯体型塩基対 / 分子マシン / DNAナノテクノロジー / 金属錯体 / イミノ二酢酸 / 人工DNA / 酸化還元 / 自律振動 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAの自己集合に基づき様々な分子マシンが開発されてきたが、自律振動型の分子マシンの構築はいまだ挑戦的な課題である。本研究では、金属イオンの酸化還元振動反応を基盤とし、自律振動を示すDNA分子マシンの開発を行う。具体的には、水素結合を介したX-A塩基対と金属配位結合を介したX-Cu(II)-X人工塩基対の双方を形成する人工塩基Xを設計・合成し、DNA鎖に導入する。続いて、Cuイオンの酸化還元に応答するX-A塩基対とX-Cu(II)-X塩基対のスイッチングによりDNA会合状態を制御する。X塩基を分子ピンセットなどのDNA分子マシンに導入し、Cuイオンの酸化還元振動反応に基づく自律振動を誘起する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、水素結合を介したX-A塩基対と金属配位結合を介したX-M-X塩基対(M:金属イオン)の両方を形成する人工核酸塩基Xを開発し、「X-A ⇔ X-M-X」のスイッチングによるDNA会合状態の制御を行った。また、Xの塩基対スイッチングを金属イオンの酸化還元振動反応と連動させることで、自律振動を示すDNA分子マシンの開発を目指した。2022年度は、昨年度に合成したイミノ二酢酸修飾ウラシル(dcaU)の塩基対スイッチングを実証し、金属イオンに応答するDNA会合状態の制御へと応用した。その結果、以下の研究成果を得た。 (1) 二重鎖融解実験によって、dcaUと種々の金属イオンの錯体形成を調べた。中央に一対のdcaU-dcaU塩基対を有する二重鎖1-2は、Gd(III)イオン存在下で金属錯体型dcaU-Gd(III)-dcaU塩基対を形成し、熱的に安定化した。その一方で、dcaU-A塩基対を含む二重鎖1-2A はGd(III)イオンの添加によって塩基間の水素結合が弱まり、不安定化した。結果として、Gd(III)非存在下では二重鎖1-2Aの方が1-2に比べて安定である一方で、Gd(III)存在下では二重鎖1-2の方がより安定となり、dcaU-A ⇔ dcaU-Gd(III)-dcaUの塩基対スイッチングを実証した。 (2) ゲル電気泳動および蛍光測定から、DNA鎖1, 2および2Aの混合物において、二重鎖1-2Aが主に形成することを確認した。Gd(III)イオン存在下では一本鎖2Aが解離し、二重鎖1-2が形成した。また、Gd(III)とキレート剤のEDTAを交互に加えることで、二重鎖形成挙動を可逆に制御した。 本研究で実証した塩基対スイッチングは、他の金属イオンを外部刺激とする系への展開も可能であり、酸化還元に応答するDNA分子マシンの開発に向けて重要な知見が得られた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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