研究課題/領域番号 |
21J11586
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宗 周太郎 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 戦国秦漢 / 簡牘 / 流通 / 経済 / 中国史 |
研究開始時の研究の概要 |
古代中国経済の根幹を解明するために、物流と商流に分けて流通制度や流通の実態に関わる研究を行う。物流面では、関所や市場、道路の三側面から流通の基本要素を整理したうえで、伝世文献に加え出土史料に見える地名、及びそれらに仮託された言論を検出し、市場圏間のネットワークを研究する。商流面では、出土簡牘を利用して私人の動産に対する管理制度を検討し、秦漢時代の交通管理制度とあわせて検討する。また関所史料を用いて、制度の運用面についても出土史料を用いて検討する。以上の検討から、当時の流通管理の制度的側面と実態から経済の背景たる流通実態を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度も前年度に引き続きコロナウイルスが猖獗を極め、予定していた海外調査の実施には至らなかったため、予定を変更して国内での研究、および国内外への研究成果の発表に努めた。 前年度に執筆した博士論文『戦国秦漢期における流通・交通管理制度の研究』(京都大学博士(文学)、2022年3月23日授与)の内容を核として、未公表であった章を中心に、新たな史料の追加や論証の精緻化を進め、学術雑誌などに成果を公表した。 まず『古代文化』へ「質字考」を投稿し、自身の研究の柱の一つである大型動産売買の質に関して論述した。秦代の大型動産売買の制度を解明し、続く研究の基礎となる条文理解の整理を行った。この研究成果による質字の理解については、「岳麓書院所蔵簡《秦律令》(壹)訳注」考証編』内の質の項目でも示した。この研究成果を基礎に、二つの国内学会で戦国秦漢期の流通に関する発表を行った。東洋史研究会大会では交通路管理について、出土史料と典籍史料の双方からの検討を行った。日本秦漢史学会大会では券と質の比較を中心に、戦国秦漢期の商取引管理について論じた。また、前年度の国外への研究成果の公表については、昨年度口頭発表した内容をもとに執筆した「『漢簡語彙考證』訂補(六)──平賈」が中国大陸の簡牘研究を牽引するウェブサイトである簡帛網(武漢大学簡帛中心が運営)にて公開された。簡帛網での公開といった国際的な場で研究発表を行うことや、前年度より継続して開催している京都大学・武漢大学・ソウル大学の国際合同研読会の司会を担当するなど、本年度も国内外に自身の研究成果を示すことが出来た。 以上限られた史料調査状況ではあったが、前年度の研究成果の更なる進展、研究成果の発表を十分に行うことが出来た。一方課題としては海外調査の不足であり、コロナ禍が収束し、日中の直接の学術交流が回復した折は改めて調査を行いたい。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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