研究課題/領域番号 |
21J11641
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
手島 慶和 広島大学, 先進理工系科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 半導体ポリマー / n型半導体 / p型半導体 / 有機トランジスタ / 有機太陽電池 / 非フラーレンアクセプター / チアゾール / π共役系ポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
半導体ポリマーは、安価に製造可能な有機薄膜デバイスの中核をなす。正孔を輸送するp型に対し、電子を輸送するn型半導体の報告例は多くなく、高性能な新規n型半導体ポリマーの開発が強く求められる。 チオフェンが最も汎用的なビルディングブロックであるのに対し、高い電気陰性度を示す窒素原子を有するチアゾールは、ポリマーの電子親和力を高める(HOMO-LUMO準位を低下させる)ことに効果的である。本研究では、チアゾールを有する新規縮合多環π骨格およびその半導体ポリマーを開発し、有機薄膜デバイスへ応用する。チアゾールがもたらす影響について、構造-物性の相関を明らかにするとともに、高性能半導体材料開発に繋ぐ。
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研究実績の概要 |
前年度では、チアゾールを含む新規ビルディングユニット(TzBIやBETz)の開発により、n型半導体ポリマーの開発とその性能向上に成功した。これと同時に、チアゾールが有機太陽電池(OPV)におけるp型半導体ポリマーとしても有用な芳香環になりうることを見出した。本年度は、TzBI系ポリマーの分子構造制御による電子移動度の向上と、チアゾールを用いたシンプルなp型半導体ポリマーによる、実用性と高効率を兼ね備えた有機太陽電池の創出を狙った。 TzBI系ポリマーの課題として、低い反応性と溶解性が挙げられた。そこでモノマー段階でさらに長いアルキル基(DH)とチオフェンスペーサーを導入したTzBI(DH)-2Tを合成し改善を試みた。種々のアクセプターユニットと共重合を行い、目的の新規ポリマーを十分な分子量と溶解性で得た。これらは有機トランジスタにおいてn型半導体特性を示すことが分かったが、電子移動度が1×10^(-3)程度と低く、今後最適化が求められる。次に、2,2'型および5,5'型で連結したビチアゾールを主鎖に有するシンプルな半導体ポリマー(それぞれPTN2とPTN5)を開発した。電子的特性にあまり違いはないものの、PTN5は薄膜中における凝集・結晶性がPTN2よりも非常に高いことを発見した。PTN5を用いたOPV素子は比較的高い12%程度の変換効率を示し、PTN2を用いた素子よりも3倍程度高い値であった。主鎖内におけるチアゾールの連結様式が薄膜構造ならびにデバイス特性に多大な影響をもたらすことを実証した。さらに、ベンゾジチオフェンと組み合わせたポリマー開発により、剛直な主鎖と溶解性を兼ね備えたp型半導体ポリマーの開発にも成功した。これを用いたOPV素子は14%を超える変換効率を達成した。 チアゾールが高性能半導体ポリマーを実現しうる重要な分子単位であることを実証した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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