研究課題/領域番号 |
21J11832
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 悠 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 2n配偶子 / 非還元配偶子 / 減数分裂 / 倍数体育種 / エピデンドラム |
研究開始時の研究の概要 |
通常の生物は2倍体であるが,それより多く染色体をもつ倍数体は器官の巨大化などの優れた特徴を示すことから育種に利用されてきた.しかし,従来の倍数体育種法は交配・育種までの多大な時間を要することが大きな課題となっていた.一方で,非還元配偶子を利用した新規の倍数体育種法は,倍数体の誘導と交配による育種および選抜を同時に行うことができるため,従来法と比較して大幅な省力化および短縮化が期待できる.本研究では,非還元配偶子を利用した新規倍数体育種法の確立のため,非還元配偶子を安定的にかつ高頻度で誘導する方法の開発および非還元配偶子の形成に関与する遺伝子の探索ならびに遺伝様式の解明を目指す.
|
研究実績の概要 |
これまでに、ラン科植物のエピデンドラム野生種ならびに園芸品種群は高い非還元配偶子の形成能をもち、さらに園芸品種群は複数回の倍数体化を経て、高次で幅広い倍数性を有していることを明らかにしてきた。前年度までの雑種第一代の研究により、エピデンドラムはすでにかなり高い倍数体であるにもかかわらず、高次の倍数体化による葉や花、茎などの各器官の巨大化が観察され、エピデンドラムはかなり高い倍数体を許容できることが示唆された。また、雑種第一代の非還元配偶子の形成能は幅広い範囲にばらついたが、高次倍数体においても非還元配偶子形成能を有することが明らかになった。これらの結果から総合すると、エピデンドラムは際限なく倍数体化が起こりうると予想される。本研究では、非還元配偶子を積極的に利用して倍数性育種を進めるために必要な基礎的知見を得るために、倍数性が様々かつ非還元配偶子出現頻度の異なる園芸品種10品種を用いて総当たり交配を行い、DNA量を指標として次世代集団の倍数性を検定した。また、目的とする倍数体が想定通りの頻度で得られない原因の解明のため、交配から成苗までの過程を精査した。非還元配偶子頻度から推定されるDNA量の範囲に対し、実際の総当たり交配で得られた次世代集団のDNA量の範囲の最高値が小さくなった。また、今回総当たり交配で用いた10品種のDNA量を超える雑種第一代の個体はほとんど得られなかった。すべての品種において非還元花粉の発芽率は通常の花粉の発芽率より高かった。また、倍数性の高い品種同士の交配によって得られた種子の有胚種子率は低かった。以上より、花粉発芽以降の受精および胚発達の段階で倍数体形成が阻害されることが示唆された。本研究により、非還元配偶子を利用した交配では、倍数体形成が著しく阻害される上限値が存在することが明らかになった。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|