研究課題/領域番号 |
21J11957
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板垣 ひより 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 子嚢菌門ビョウタケ目 / 内生菌 / 種多様性 / 生態的多能性 / 広義ヘソタケ科(Mollisioid)菌類 / DNAバーコード / 新種・新産種 |
研究開始時の研究の概要 |
子嚢菌門ビョウタケ目ヘソタケ科は、植物の根や葉から高頻度で検出されることから、腐生だけでなく生きた植物とも相互作用する多能な生態を持つことが示唆される。本研究では、生態的多能性が本科菌類の進化の過程でどのように獲得されたのかを明らかにすることを目的とする。国立科学博物館所蔵の標本に加え、全国から新たに本科菌類を採集し、遺伝子・形態・宿主情報を網羅するデーターベースを構築する。このデーターベースを基に本科菌類の種多様性を評価するとともに、分子系統解析から明らかとなる原始および派生的系統から複数の代表種を選出し、宿主植物に接種することで潜在的な生態的機能を探索する。
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研究実績の概要 |
Mollisioid菌類は、腐生だけでなく生きた植物とも相互作用する多能な生態(生態的多能性)を持つことが示唆される。本菌群における生態の進化を理解するには、それぞれの種の形態および遺伝情報を揃え、系統を反映する分類体系を構築する必要がある。しかしながら、mollisioid菌類の子嚢盤の形態は互いによく類似するため、分類が混乱している。特に、日本を含む東アジアにおいては、種多様性はほぼ未解明であり、未記載種が多数存在すると予想された。 本研究では、日本各地で採集したmollisioid菌類に加え、国立科学博物館の標本情報を蓄積したデータベースを構築し、DNAバーコード(ITS領域)に基づく種の多様性の探索と、LSU―RPB1―RPB2連結領域に基づく解析によって属レベルの分類体系を再検討した。その結果、日本新産15種および14新種を見出した。さらに、日本産34種と海外産4種を対象に、3領域連結の分子系統解析を行ったところ、2科8属(1新属を含む)が系統学的に強く支持され、その一部は形態的にも近縁属から識別が可能であることが示された。分子系統樹上にそれぞれの種の生態学的情報を重ね合わせると、寄生から内生かつ腐生的な生活史への生態学的な進化傾向が示唆された。 本研究により、日本には非常に多様なmollisioid菌類が存在することが明らかとなり、多くの種においてDNAバーコードによる種同定が可能であることが示された。分類体系の全貌の解明には、更なる遺伝子情報の収集とタイプ種を含む網羅的なタクソンサンプリングが必要である。本研究で得られた成果の一部は、国内外の学会および原著論文にて発表・投稿した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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