研究課題/領域番号 |
21J12132
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 翔太 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | アリヅカムシ亜科 / 小顎肢 / 系統学 / Pselaphitae / Tyrini / 昆虫分類学 / 摂食行動 / Pseudophanias |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫の莫大な多様性には、食べ物に適応した口器形態の多様化が関連している。それは、口器形態が摂食と密接に関わっているため、様々な環境の様々な食べ物を利用できるように適応・進化が起きたからである。アリヅカムシ亜科は最も種多様性の高いグループの一つとして知られ、口器の一部である小顎肢の形が非常に多様である。また、本亜科には摂食行動の多様化とそれに伴う小顎肢形態の特殊化が示唆されている。以上より、本亜科は摂食行動を多様に変化させることで、小顎肢形態が多様化し、今日の莫大な種多様性を獲得するに至ったのではないだろうか?本研究では、小顎肢形態と摂食行動の進化について系統関係を考慮した研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、アリヅカムシ亜科の小顎肢形態と摂食行動の進化について明らかにするため、アリヅカムシ亜科のヒゲナガアリヅカムシ上族およびヒゲブトアリヅカムシ上族を中心とした系統関係の解明を目的として研究を行った。また、行動観察、分類学的研究も合わせて実施した。
分類学的研究の成果として、日本産コケアリヅカムシ属において1日本未記録種と5未記載種の存在を認めた。日本産本属は既知種への同定に問題を抱えていたためタイプ標本全4個体を検討し、本種への正確な同定方法を確立した。東南アジアを中心に多様化しているツムガタアリヅカムシ属から未記載種25種を認め、既知種含め39種から構成されることが判明した。日本産ヒゲカタアリヅカムシ属から3未記載種を確認した。 系統学的研究として、ヒゲナガアリヅカムシ上族は2つの主要クレードに分かれる多系統であることを示唆した。Colilodion属はArhytodini族と近縁であると考えられていたが、本研究ではPselaphini族に近縁であることが示唆された。また、ヒゲカタアリヅカムシ属は日本産好蟻性種群から構成されるクレードAと、樹皮や朽ち木に生息する種群から構成されるクレードBに分かれる多系統であることが示唆された。そのうち、好白蟻性種シロアリヒゲカタアリヅカムシはクレードBに含まれ、シロアリヒゲカタ属の示す好白蟻性は、樹皮下に選好的に生息するヒゲカタ属から進化したことが示唆された。 Tyrini系統の摂食行動様式に関して、2つの行動様式を確認した。両パターンにおいても多様な形態をもつ小顎肢に加え、前脚を捕獲の補助に用いていた。Tyrine系統では前脚腹面に棘や硬化した毛状棘が備わっていることが確認できる。また、小顎肢表面には接着機能を有すると思われる多様な毛を有している。このことから、それら毛は捕獲成功率を向上させるのに寄与している可能性がある。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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