研究課題/領域番号 |
21J12215
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中窪 圭佑 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 水浄化 / 有害元素 / 環境改善技術 / メカニズム / 化学形態別分析 |
研究開始時の研究の概要 |
バングラデシュなどの途上国で、低レベルのヒ素汚染が広範囲に拡がっている。飲用水に用いられる地下水に存在する亜ヒ酸は毒性が高く、危険性が高い。しかし、汎用的な除去技術である無機凝集沈殿法は、亜ヒ酸を効果的に除去できない。また、この方法はプラントの設計、高額な初期投資および広大な土地が必要であるだけでなく、、産業廃棄物として発生する大量の無機汚泥が最終埋め立て処理場を逼迫している。よって、亜ヒ酸を効果的に除去且つ従来の浄水処理施設に適用可能な方法が望まれている。本研究では、亜ヒ酸に高い選択性を示す官能基を、バイオマス材料へ導入することで、亜ヒ酸を効果的に除去可能な環境浄化材料の開発に取り組む。
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研究実績の概要 |
1. DTC修飾セルロース吸着剤の改良 天然アミノ酸であるプロリン構造を導入したジチオカルバメート修飾吸着剤は亜ヒ酸に対して高い吸着性能を示したが、水中で吸着剤の一部が溶解してしまう問題があった。そこで、官能基の数mol%を架橋することで溶解性の低下を図った。鉄およびエポキシ架橋を施した吸着剤を合成した。鉄架橋吸着剤では、9mol%の鉄を添加しても吸着剤の溶解を十分に低減できなかった。一方で、3mol%のエポキシ架橋では大幅に溶解性が低減し、6mol%でほとんど水に不溶となった。これ以上架橋を施すと、亜ヒ酸吸着量が低下した。これは、架橋によって吸着剤の材質が変化し、表面積が減少したことと、吸着サイトが少なくなったことが原因であると考えられる。この研究成果を国際学術誌であるChemosphereに投稿し、受理された。
2. 無機セレンの化学形態別分析法の開発 DTC修飾セルロース吸着剤による亜セレン酸抽出メカニズムをSPring-8のX線吸収微細構造(XAFS)、X線光電子分光法(XPS)、赤外分光法(FTIR)で推察した。XPS分析の結果、DTCとの錯体形成に伴って亜セレン酸が還元されている可能性が示唆された。XAFS分析の結果では、Se-DTCのホワイトラインが硫化セレンのそれと一致したことから、錯体中のセレンは2価へと還元されていることが分かった。また、IR分析の結果から、亜セレン酸吸着後イソチオシアネートが生成していることが明らかとなった。以上の結果から、DTC修飾吸着剤による亜セレン酸吸着メカニズムを提唱した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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