研究課題/領域番号 |
21J12321
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮國 昂介 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 腎がん / DNAメチル化 / 薬剤感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者のこれまでの研究から、腎がん細胞は腎微小環境との相互作用によりエピゲノムの変化を起こし、進展に重要な遺伝子の発現を制御していることが示唆されている。そこで、遺伝子発現を規定するエピゲノムを同定することで、新たな標的分子を見出す。予備検討では、DNAメチル化依存的にミトコンドリア電子伝達系構成因子の発現が変動することが腎がんの進展に重要であることが示唆されている。これらのDNAメチル化の亢進のメカニズムおよび、発現変動を受ける因子の機能解析を通して、エピゲノムを標的とした腎がんの新規治療法創出を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究では、腎がん細胞高悪性株の解析を通し、DNAメチル化の亢進のメカニズム解析、発現変動が生じた遺伝子の解析を試み、腎がんの新規治療法創出を目指すことを目的とした。最終年度までの研究により、下記の3点のことが分かっている。1) 肺に転移する腎がん細胞高悪性株では、ミトコンドリア電子伝達系の構成因子の1つであるUQCRHの発現がDNAメチル化依存的に低下することが示唆された。2) ミトコンドリア電子伝達系構成因子UQCRHは、シトクロムc放出に関連する潜在的な腫瘍抑制因子としての役割を持つことが示唆された。3) DNAメチル化阻害剤は潜在的腫瘍抑制因子とされるUQCRHの発現を回復させることができる。さらに、UQCRHの発現回復によって、腎がんの既存薬であるmTOR阻害剤エベロリムスの薬剤感受性を上昇させることが示唆された。 そこで、腎がんの肺以外の主要な転移先の臓器である骨や脳に転移した腎がん細胞を用いて、肺転移と同様の遺伝子発現変動が観察されるか確かめることした。さらに、骨や脳への転移形成に重要な分子メカニズムを解明することとした。腎がん細胞親株をマウス左心室に移植し、骨もしくは脳に形成された転移性腫瘍から、それぞれ腎がん細胞骨転移株および脳転移株を樹立した。特に脳転移巣を形成した腎がん細胞におけるUQCRHの発現を調べた結果、親株と比較して脳転移株ではUQCRHの発現が低下していることが確認された。これよりUQCRHの発現低下は、肺転移のみならず、脳転移巣形成を生じやすくするなど、臓器特異的な転移のみならず、悪性度が亢進した腎がん細胞で一般的に確認されることが示唆された。さらに、遺伝子発現解析を行った結果、脳転移株では炎症反応に関連する因子の発現が活性化していることが分かった。これより、腎がん細胞脳転移株における特徴的な変化を捉えることができた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|