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過酸化トリアシルグリセロールの吸収機序解明から導く疾病との関連評価

研究課題

研究課題/領域番号 21J12390
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 巧  東北大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードトリアシルグリセロール / 過酸化脂質 / 腸管吸収 / 免疫 / 安定同位体 / 質量分析 / 脂質酸化 / 代謝
研究開始時の研究の概要

食事由来脂質の大部分はトリアシルグリセロール(TG)であり、TGが酸化されると過酸化TGとなる。ヒトは、食事を通じて過酸化TGを微量ながらも日常的に摂取している。他方、過酸化TGはヒトの体内にも存在しており、様々な疾病の発症・進行に関わると推察されている。そこで本研究課題では、実生活レベルでの過酸化TGの吸収機序解明を通じて、摂取した過酸化TGが疾病を誘発する要因となり得るかを評価する。

研究実績の概要

前年度の結果から、過酸化トリアシルグリセロール(TG)をラットの胃内へ投与すると、腸管内でTGの酸化(過酸化TGの生成)が亢進することが明らかとなった。そこで本年度は、過酸化TGをラットへ経口投与し、血液・組織(とくに、肝臓)中の過酸化TG量の変動を調査した。具体的には、①経口投与試験に用いるための過酸化TG標準品の大量調製、②血液および肝臓における抽出法・精製法の整備、③経口投与試験、これらに取り組んだ。①については、未酸化のTG(約10 g)を光酸化させた後、夾雑物を各種HPLCによって除去した。精製物をMS/MSにより解析したところ、目的の過酸化TGであることが確認され、十分量(約3 g)の標準品を確保した。②については、前年度の液-液抽出法および固相抽出法を改変し、抽出回収率が血液で約90%、肝臓で約55%であることを確認した。③については、ラットを1晩絶食した後、PBSあるいは過酸化TG標準品(過酸化物価が約10、50、100、500となるように調製したもの)を経口投与した。4時間後に解剖し、血液および肝臓を回収した。HPLC-MS/MS分析の結果、全ての群において過酸化TGのピークが確認された。一方、予想とは異なり、それらの検出量に差は殆ど見られなかった。そこで、過酸化TGの体内での速やかな代謝を想定し、代謝産物の一つとして還元物を新たに分析した。その結果、とくに血液から還元物が明瞭に検出され、興味深いことに、その量は過酸化TG投与量と正の相関関係にあることが分かった。前年度の結果も踏まえると、過酸化TGの腸管流入刺激はTGの酸化(過酸化TGの生成)を誘発するが、【その生成物の多くは速やかに代謝(還元等)され、血中過酸化TG量は一定に維持される】と推察された。今後、こうした現象の生理的意義を見極めていくことで、本研究領域の更なる発展が期待される。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Dietary triacylglycerol hydroperoxide is not absorbed, yet it induces the formation of other triacylglycerol hydroperoxides in the gastrointestinal tract2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Takumi、Kato Shunji、Ito Junya、Shimizu Naoki、Parida Isabella Supardi、Itaya-Takahashi Mayuko、Sakaino Masayoshi、Imagi Jun、Yoshinaga Kazuaki、Yoshinaga-Kiriake Aya、Gotoh Naohiro、Ikeda Ikuo、Nakagawa Kiyotaka
    • 雑誌名

      Redox Biology

      巻: 57 ページ: 102471-102471

    • DOI

      10.1016/j.redox.2022.102471

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] トリアシルグリセロールヒドロペルオキシドの吸収代謝の新仮説検証~疾病との関連解明に向けて~2022

    • 著者名/発表者名
      高橋巧、加藤俊治、伊藤隼哉、吉永和明、桐明絢、後藤直宏、仲川清隆
    • 学会等名
      日本脂質栄養学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 安定同位体標識によるトリアシルグリセロールヒドロペルオキシドの吸収代謝の解明2022

    • 著者名/発表者名
      高橋巧、加藤俊治、伊藤隼哉、吉永和明、桐明絢、後藤直宏、仲川清隆
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] トリアシルグリセロールヒドロペルオキシドの吸収代謝解明に向けた重水素標識体の合成および分析法構築2021

    • 著者名/発表者名
      高橋巧、加藤俊治、伊藤隼哉、吉永和明、桐明絢、後藤直宏、仲川清隆
    • 学会等名
      日本油化学会第60回年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 食べた酸化脂質の行き着く先は?(東北大学大学院農学研究科・農学部研究ハイライト&トピックス)

    • URL

      https://www.agri.tohoku.ac.jp/jp/highlights/20220926pr/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-03-26  

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