研究課題/領域番号 |
21J12656
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 関西学院大学 (2021) |
研究代表者 |
木村 遥 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ハーディ・ガーディ / ヴィエル / ヴィエル・ア・ルウ / 18世紀 / 西洋音楽史 / 音楽学 / 楽器学 / ライアー / 民俗楽器 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、18世紀のフランスおよび独語圏におけるハーディ・ガーディの受容状況を調査することにより、当時の音楽文化の往来について考察することである。具体的には、両地域における当該楽器の(1)楽器構造および装飾、(2)作曲状況、(3)演奏者、以上3点に着目して、これらの比較を中心とした音楽学的研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、18世紀フランスにおけるハーディ・ガーディ(ヴィエル)の演奏習慣の解明を目指していたが、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、16世紀から18世紀の当該楽器の受容状況の解明に研究目的を変更した。2022年度に取り組んだ課題は主に以下の2点である。 1点目は、ハーディ・ガーディが18世紀フランスの上流階層の人びとに演奏されるようになった一因でもある、サヴォワ地方での演奏状況に関する調査である。18世紀フランスでこの楽器が田園的な楽器と評価された要因に、山間部サヴォワ地方からパリへ出稼ぎに訪れるサヴォワイヤールと呼ばれる人びとが、当該楽器を携えていたことが指摘されている。そこで、18世紀に実在したサヴォワイヤールの女性を取り上げたヴォードヴィル《ヴィエル奏者ファンション》(1803)に着目し、実在したファンションに関する記録の調査と、ヴォードヴィルの台本の精読、それらの比較を通して、実在のファンションの記録と作中のファンションに人物像の乖離が認められることを明示した。そのうえで、この楽器とその奏者像が、上流階層の人びとの理想を投影するものとして18世紀に形成されたことを指摘した。 2点目は、ハーディ・ガーディの音楽的特徴をヴァイオリンなどの他の楽器で模倣した作品に関する調査である。こうした作品の例として、クープランのクラヴサン組曲《偉大にして古き吟遊詩人組合の年代記》(1716-1717)第2曲〈ヴィエル弾きと物乞い〉や、《プラテー》の劇中音楽〈ヴィエル風メヌエット〉(1745)などがある。こうした作品の楽曲分析を行った結果、当該楽器を模倣した作品の多くは、上流階層の人びとが18世紀に演奏したであろう洗練されたハーディ・ガーディの音楽ではなく、それ以前の民俗的で素朴な音楽を表現していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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