研究課題/領域番号 |
21J13960
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西田 明日香 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 思春期 / 中高生 / 相談相手 / 不安 / 抑うつ / 体型 / 体型認知 |
研究開始時の研究の概要 |
思春期の子どもでは精神不調が急増する。その要因の一つとして、対人関係が複雑化することが挙げられる。特に、相談できる相手を持てない場合に、不調になるリスクが高くなる。そのため、子どもに相談相手がいない・少ない要因を調べることは重要である。 子どもの体型や自己の体型に関する考え(体型認知)は対人関係に影響を与える。実際に、申請者は、標準的でない体型や体型認知をもつ子どもに相談相手が少ないことを明らかにした。つまり、それらの子どもの不調には特に注意が必要である。今後は、標準的でない体型・体型認知を持つ子どもの相談相手の数の変化とその背景要因を縦断的に調査し、相談相手を増やすための支援策を検討する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究では、相談相手がいない・少ない中高生は不安・抑うつ症状を多く抱えていることが明らかになった。申請者はさらにその関連の性差を解析し、特に女子においてリスクが高いことを示した。この成果は学術大会にて発表した。また国際学術誌 BMC Psychologyに投稿し、現在プレプリントが掲載されている。またこの成果に基づき、相談相手がいない・少ないことがその後の精神不調を予測するかを、中高生約2千名の最大6年間紐づけされた縦断データを用いて検討し、相談相手の数と精神不調はどちらの方向にも影響することを示した。この成果は学術大会にて発表した。さらに、この双方向の関連が、個人内変化による影響かを、中高生約2千名の縦断データを用いて検討した。その結果、関連は個人差によるものであり、今後は相談相手が少ないことと精神不調の二要素に同時に影響する効果のある要因を検討することが重要であることを示唆した。この成果は5月の不安症学会学術大会にて発表予定である。 当初の研究計画からズレはあるものの、相談相手の数という精神的健康において中核的な対人関係に注目したことで、周囲の大人や友人が中高生の精神不調に気付く力が低い場合にも、相談相手の数を精神不調の指標に、サポートの必要な中高生に気づくことができる可能性を示した。さらに6時点という多時点での追跡データを用いたことで、過去の精神不調の状態を加味した上でも、相談相手がいない・少ない場合にはその後の精神不調に注意が必要である可能性を示した。 これらから、中高生において相談相手がいない状況を予防・改善する必要があることが考えらえる。しかし、なぜ相談相手がいないかについて実証的・包括的研究は十分でなく、相談相手がいない中高生にどのような対策・介入が必要か十分には検討できない。今後の研究では、相談相手がいないか背景要因を解明する研究に取り組む。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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