研究課題
特別研究員奨励費
円偏光発光(CPL)とはキラルな分子から左右円偏光どちらかに偏った発光を示す現象である。CPLを示す分子は、“見える”「発光性」と“見えない”「円偏光 」という性質を活かして、セキュリティインクや3Dディスプレイ、バイオイメージングなどの幅広い応用が期待されているが、未だ実用化に十分なものが開発されていない。本研究では、理論化学に基づき分子設計を行い、実験化学や分光学、活性評価によるフィードバックを通して分子構造とCPLの関係を明らかにすることで、新奇CPL(円偏光発光)を示す有機小分子分子探索研究のプラットフォームの確立を目指す。
円偏光発光はキラルな分子等から左右円偏光のどちらかに偏った発光を示す現象であり、円偏光発光性分子は「見える」発光性と「見えない」円偏光という両面の性質を活かした応用が期待されている。本研究は新奇円偏光発光性分子の設計・開発を目的としており、前年度までに開発していたフタロシアニン類似骨格「ヘミポルフィラジン」を利用したらせん構造分子のピリジン環にπ拡張を施し、ナフチリジン環を構成要素とした分子の設計・合成の検討を行った。ナフチリジン環原料はピリジン環のものに比べ反応性が低いことが懸念されていたが、問題なく反応が進行することが明らかになった。さらにらせんの長さが目的物よりも長い、拡張型らせん分子が数多く生成していることも明らかになった。これら一連の新奇らせん分子はキラルな脂肪族分子であるリモネンを溶媒として円二色性を示すことが明らかになった。このように外部環境によりキラリティを誘導できることが示唆されていることに加え、ナフチリジン環の-N=とピロール環のN-Hを利用した、キラル分子認識を利用した円偏光発光プローブへの利用可能性が期待される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件)
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