研究課題/領域番号 |
21J14292
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
井上 順平 早稲田大学, 基幹理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 反応拡散系 / 数理生物学モデル / 楕円型偏微分方程式 / 拡散ロジスティック方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,拡散ロジスティック方程式に着目し,異なる種類の拡散が生物分布にもたらす数理的メカニズムの解明を目指す.具体的には,ラプラシアンによる局所拡散と,積分核を用いた非局所拡散の二種類の拡散それぞれに対して,資源関数と定常解の積分量の比の最大化問題を調べる.前者の拡散に関しては空間次元によって比の上限が異なることが知られているものの(Bai-He-Li(2016), Inoue-Kuto(2021)),境界条件による違いなどの未解決部分がある.後者の拡散に関しては,比の上限について未解明である.本研究では,両者の問題を比較することで,局所拡散と非局所拡散の数理的メカニズムの差異を捉える.
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研究実績の概要 |
本研究課題では,拡散ロジスティック方程式の定常解に着目し,拡散の程度と餌の分布が生物分布にもたらす数理的メカニズムの解明を目指している.具体的には,拡散係数と資源関数を様々に変化させて,解の積分量と資源関数の積分量の比を調べるという最適棲息分布問題に従事している.これは,生物モデルの見地から「限られた餌の下での個体数の最大化問題」と捉えられ,2012年頃にWei-Ming Ni氏により提起された.この問題に関連する先行研究として,Bai-He-Liによって空間1次元ノイマン境界条件ではその上限は3で,Inoue-Kutoによって高次元球領域のノイマン境界条件では無限大であることが知られていた. そこで2022年度は,上述の最大化問題を境界が滑らかな一般領域でかつ第3種境界条件(ロバン境界条件)の場合に一般化して考察した.結果としては,条件を一般化しても積分量の比の上限は1次元では3で,高次元では無限大となることを得た.特筆すべき点は,積分量の比を上限へと近づける拡散係数と資源関数の列は,元の問題の列と同じである点である.すなわち,資源関数を領域の内部にデルタ関数の近似列の形で局在化させ,それに応じて適当な拡散係数を選ぶ列である.つまり積分量の比を考えるうえで,拡散係数を適切に調整すれば,局在化した資源関数のピーク周辺の情報が支配的であって,境界付近の性質の積分量の比への寄与は小さいということである.以上により,拡散ロジスティック方程式の定常問題において最適棲息分布問題を考察したときに,境界条件や領域の形状は本質的な違いをもたらさないことが本研究によって明らかとなった.
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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