研究課題/領域番号 |
21J14313
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 侑哉 (2021) 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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特別研究員 |
千葉 侑哉 (2022) 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 孤立量子系の熱平衡化 / 応答 / 量子可積分 / 熱平衡化 / 孤立量子系 / 感受率 / 線形応答 / 量子スピン系 / 熱力学 |
研究開始時の研究の概要 |
量子力学に従うマクロ系において、いかにして熱力学が成り立ち、正しく平衡状態間遷移が起こるかという問題は、孤立量子系の熱平衡化の次の段階にある重要な問題だが、まだあまり調べられていない。 本研究では、感受率を使ってこの問題にアプローチする。 具体的には、量子力学から得られる感受率が、熱力学の感受率に一致するかという問題を考え、それを理論と数値計算の両面から調べる。 特に、両者が一致するために、系が満たすべき条件や、従来の孤立量子系の熱平衡化の研究との関係について、詳しく解析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、全てマクロ物理量に関して熱平衡化(熱化)が起こったかどうかを判定するという、従来扱うのが困難だった問題を、線形非平衡領域において調べ、1つの鍵となるマクロ物理量に関して熱化が起こることを確認すれば、他の全てのマクロ物理量に関しても熱化が起こると言えるということを明らかにした。この結果は初め、通常の線形応答理論と同様の時間スケールに着目して得られたものだったが、もっと長い時間、すなわち線形応答の外場を0にする極限でいくらでも長くなるような時間スケールまで見ても、全く同様に成り立つことも明らかにし、二段階緩和という現象との関係も論じた。以上の結果をまとめた論文は、Phys. Rev. Research誌から出版された。また、以上の結果を国際学会のSigmaPhi 2023およびStatphys28にて発表した。 加えて、上記の論文で行った数値計算により、上記の意味での熱化の有無が系の可積分性・非可積分性によって左右されることが確認されたので、次に量子系の非可積分性についても調べた。具体的には、非可積分系と期待されている模型の代表例とも言える斜め磁場イジング模型において、許される局所保存量の形を制限していき、自明なもの以外は存在しないことを厳密に証明した。この局所保存量の不在は、系が非可積分であることを意味するので、この模型の非可積分性が初めて厳密に証明されたことになる。この結果をまとめた論文は、Phys. Rev. B誌から出版された。また、この結果は日本物理学会でも発表した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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