研究課題/領域番号 |
21J14316
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
駒田 夏生 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 生物地理 / 節足動物 / 多種共存 / 東南アジア / 熱帯雨林 / ボルネオ島 / 林冠生態系 / 林冠生物学 / 着生植物群集 / 節足動物群集 / 生物多様性 / 東南アジア熱帯 / ランビルヒルズ国立公園 / 懸垂土壌 |
研究開始時の研究の概要 |
維管束着生植物(着生植物)は樹上に育つ植物群であり、それらが保持する腐植質(懸垂土壌)は、樹上の節足動物多様性を増大させる重要な生息場所である。熱帯林の樹上空間において、節足動物は最も生物多様性が高く、着生植物が懸垂土壌を保持することによって起こる節足動物の生息場所創出は、熱帯林の樹上生態系全体の生物多様性の維持に重要な役割を果たすと考えられる。本研究は、着生植物群落が保持する(1)懸垂土壌内の節足動物相と(2)懸垂土壌の環境が節足動物相に及ぼす影響を解明することにより、節足動物多様性の維持メカニズムに関する仮説を検証する。これにより、着生植物が節足動物の多様性に果たす役割の解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
当該年度は、COVID-19の感染拡大の影響を鑑みて、これまで蓄積してきたマレーシア領サラワク州ボルネオ島における着生植物の多様性・生態に関するデータの解析およびその成果の発表を中心に研究を進めた。これらの作業と並行して、夏季にボルネオ島に渡航し着生植物群落が保持する懸垂土壌内の節足動物多様性に関するフィールド調査を行った。 1、これまでの調査で得た着生植物多様性に関するデータの解析: 着生植物群集を構成する各分類群の種数と構成割合を、3生物地理区にまたがる世界の11地点の森林の着生植物相を対象として比較を行った。この結果、ボルネオ島熱帯低地林の着生植物相は、双子葉類の高い種多様性や、コショウ科の欠如により特徴づけられた。このほか、樹種の違いに応じた着生植物群集の種数・個体数の変化を明らかにした研究を行った。これらの研究で得られた成果は国内外の学会にて発表し、また査読付き国際誌に受理・掲載された。 2、ボルネオ島のランビルヒルズ国立公園でのフィールド調査による懸垂土壌と節足動物の採取: 国立公園の混交フタバガキ林内において、樹上に堆積する懸垂土壌の採取を行った。懸垂土壌は、着生植物以外にヤシ科植物の葉柄基部や樹木枝に絡みつく真菌類の菌糸束にも堆積していたことから、これらも採取することで比較対象とした。これらの調査で得られた懸垂土壌から、ウィンクラー法を用いて節足動物を採取し、液浸標本を作製した。この結果、採取した懸垂土壌には昆虫類、クモ類をはじめとする多様な節足動物が見られることが確かめられた。現在、種判別のために節足動物を形態種に分類する作業を進めており、今後、DNA分析に基づいて詳細な種判別を行うとともに、懸垂土壌の採取地点の微環境要因と節足動物相との関連性を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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