研究課題/領域番号 |
21J14454
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黒川 智恵美 広島大学, 国際協力研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 頭脳流出 / 頭脳流入 / スーダン移民 / スーダン難民 / スーダン人高度人材 / 母国貢献意識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、スーダン往還移住民(移民、難民、帰還移民)に焦点をあて、〈国外で経験を積み、将来的にスーダンに戻って母国に貢献したい〉と考える「意識的往還型」人材のライフコースと教育経験を明らかにすることを目的とする。また、意識的往還型人材が持つと想定する〈スーダンへの貢献意識・情意〉を「スーダニーズネス」と規定し、往還活動の中で揺れ動くスーダニーズネスが生成されるプロセスと帰還の関連性を分析する。2019年、スーダンは第2のアラブの春とよばれる政変を経験した。新たな国造りを目指す最中、頭脳流出として否定的に捉えられがちな途上国における人の移動と教育開発問題の理論的枠組みの再構築を目指す。
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研究実績の概要 |
最終年度である本年度は、新型コロナウイルス感染症に係る海外渡航規制より実施できていなかった海外現地調査を実施し、新たなインフォーマントおよびオンライン調査を実施したインフォーマントと面会し、聞き取り調査を行った。聞き取り調査に加えて、エジプトでは、スーダン人学校訪問、移民コミュニティの集まりに参加して移民、難民の生活環境の観察を行い、スーダンでは移民に関する統計データをスーダン海外労働者事務局より入手した。 これまで収集した計81名のスーダン往還移住民(エジプトおよび日本在住の移民、難民、そして両国からの帰還民)のデータを用いて分析を行った。意識的往還型人材は、個人とスーダンの関係性を基本に、イスラーム社会の価値観や移住国との関係、個人の価値観において「スーダニーズネス」を形成し、それらは必ずしも移住前後といった短期間で形成されるものではなく、生まれてからインタビュー時点におけるまでの長いライフコースの中で涵養されていくものであることが示唆された。ゆえに、スーダンには頭脳流入のメカニズムが既に存在し、高度人材の帰国によってスーダンが開発されていく潜在性があり、スーダン開発が停滞する理由は、頭脳流入に至るプロセスではなく、帰国者の受け入れにあると考える。本研究は、政府が帰国を促すインセンティブ制度ではなく、「スーダニーズネス」が涵養される社会的枠組みを尊重し、活用していくような高度人材帰還者を受け入れる体制づくりを行う政策を実施する可能性を開拓したといえる。 研究成果は、日本アフリカ教育学会(4月)および日本比較教育学会(6月)において発表を行い、また査読付きの学術誌であるJournal of International Cooperation in Educationに英語論文を出版した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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