研究課題/領域番号 |
21J14807
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
波々伯部 夏美 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 系統分類学 / 紐形動物 / 分子系統解析 / 発生 / 吸盤 |
研究開始時の研究の概要 |
吸盤は、筋肉の収縮を利用して陰圧をつくり、宿主動物の体表や岩や砂などの基質に固着するための器官であり、多岐にわたる分類群で獲得されている。動物がもつ吸盤の特徴として、神経制御によって吸着/脱着が自由自在であるという点を挙げることができる。この機能を反映するように、吸盤には独自の神経系および筋肉系が発達しているということが多くの分類群において認められてきた。本研究では、体後端に吸盤様の付属器官をもつ紐形動物門の一種ヒモビル科を対象に、伝統的な組織染色法や免疫組織染色及び蛍光デキストランによる神経系可視化技術を用いて、後端の筋肉系や神経系の形質進化の過程を明らかにする。
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研究実績の概要 |
紐形動物門のうち唯一体の後端に吸盤をもつグループヒモビル科の系統的位置を明らかにするために、このグループが属する単針類について陸生、淡水性、浅海~深海まで網羅的にタクソンサンプリングを実施した。その過程で20種余の未記載種を発見し、記載論文として公表した。自身で記載した種を含めてCOI、16S、18S、28S、H3の遺伝子領域を用いて分子系統解析を実施した結果、ヒモビル科は干潟潮上帯等に生息するグループに内包されることが明らかになった。この系統関係は、追加で実施したミトコンドリア全長配列を用いた分子系統解析においても支持された。現在、上記の結果に基づいて本科の分類学的再検討を進めている。さらに、ヒモビル胚発生の過程でどのようにして吸盤が形成されるのか、初期発生の過程はその他の吸盤をもたないヒモムシとどのように異なるのかを明らかにするために、人工受精で得た胚を用いて蛍光免疫染色によって吸盤の形成過程を観察した。その結果、ヒモビルの吸盤は初期胚の後端の組織が内側に凹み、辺縁部が薄く広がることで形成されていること、吸盤機能を可能にする筋肉繊維は体壁筋に由来することが示唆された。ヒモビルの発生学的研究についても現在論文投稿に向けて原稿を準備している段階である。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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