研究課題/領域番号 |
21J14855
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 聡太郎 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 音楽的拍子 / 脳波 / ミスマッチ陰性電位 / 心理物理学 / オンライン実験 / 多義的音刺激 / 事象関連電位 |
研究開始時の研究の概要 |
拍子は音楽認知に欠かせない知覚現象である。例えば、私たちはマーチ音楽に2拍子を、ワルツ音楽に3拍子を感じる。過去の研究では、音の大きさなどの特徴を操作したり、平坦な音に注意を向けさせたりして、聴取者に拍子知覚を促した。しかし、実際の音楽鑑賞では、多様な音の特徴から重要なものを選び、それに注意を向けて拍子を感じるという、音の特徴と注意の相互作用があるはずである。そこで、高さか長さのどちらに注意するかで異なる拍子を感じる多義的な音刺激を使用し、拍子の知覚機構を解明することを目指す。刺激を聴いている間の脳波を計測し、拍の強弱が脳活動にも反映されるか、強弱をタッピング訓練が促進するかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、音楽的拍子の認知におけるトップダウン(注意)、ボトムアップ(音響特徴処理)両過程の相互作用を探究することであった。そのために、オンライン実験と脳波計測を行い、結果をまとめて博士論文を執筆した。 【オンライン実験】音響特徴処理(ボトムアップ)が拍子認知を駆動した場合、その後の音にどのような注意(トップダウン)が向けられるかを検証した。本年度は4件の実験を実施し、各実験に100名の参加者を募集した。参加者に長い音と短い音の組み合わせを呈示し、2拍子や3拍子を認知させた。その後、中間的な長さの音を2つ呈示し、どちらの音が強いかを評定させた。その結果、中間音が予測される長さより長いと強く、短いと弱く知覚されることを発見した。音の長さが拍子認知を駆動すると、その後呈示される音に予測的な注意が向くことが示唆された。成果を国際会議(査読有)1件、国内学会1件で発表した。 【脳波計測】多義刺激を参加者(n=34)に呈示し、高さと長さ(ボトムアップ)の間で注意(トップダウン)を切り替えさせ、拍子認知に関連する事象関連電位を検討した。昨年度の予備実験で発見した拍子逸脱と関連するミスマッチ陰性電位(MMN)は、34名全体の結果では見られなかった。しかし、刺激聴取中の脳波を周波数分解し、高さと長さの注意切替に成功したとみられる参加者(n=8)に限定して再度解析を行った。その結果、拍子逸脱がMMNに反映されることが分かった。成果を次年度の国際会議(査読有)で発表する。 【まとめ】以上の結果から拍子認知過程の説明モデルを考案した。モデルでは、特定の音響特徴に選択的注意を向けることで、特徴が処理されて拍子が認知される。次に拍子認知に基づき音が予測され、その予測誤差が最小化される。これらトップダウン・ボトムアップ両過程の継時的、同時的な相互作用が拍子認知の基盤をなすことを博士論文で提案した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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