研究課題/領域番号 |
21J14969
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瑞秀 昭葉 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | オイレンブルク事件 / ジェンダー・セクシュアリティ研究 / マグヌス・ヒルシュフェルト / アドルフ・ブラント / ジェンダー史 / ドイツ近現代史 / 友情 / 同性愛 |
研究開始時の研究の概要 |
近現代ドイツ市民社会において、同性愛の概念はどのように浸透したのであろうか。本研究は、この問いに答えるべく、ヴィルヘルム帝政期最大の同性愛スキャンダルであるオイレンブルク事件(1906-1909)を取り上げ、世紀転換期から第一次世界大戦前夜のドイツ市民社会の中で、同性愛の概念が浸透し、それが反ユダヤ主義とナショナリズムと結び付く過程を、同性愛と友情の緊張関係に着目して詳らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績は次の5点に集約される。 (1)オイレンブルク事件のマスメディアによる報道を分析した。調査の結果、オイレンブルク事件を通じて、同性愛嫌悪が蔓延し、その際、同性愛嫌悪と反ユダヤ主義が結びついたことが明らかになった。事件の仕掛け人であるハルデン、ハルデンの弁護人のベルンシュタイン、最初の裁判でハルデン側の参考人を務めたヒルシュフェルトの三人がユダヤ系の出自であったことがこの最たる理由である。また、この際、同性愛者とユダヤ人は「国家の敵」という共通項によっても結び付けられた。加えて、オイレンブルク事件を通じて損なわれた国家の男性性を回復しなければならないという主張の下、ナショナリズムが展開したことも明らかになった。この研究成果の一部を、『ヨーロッパ研究』22号に掲載することができた。 (2)ハレ大学のマンフレート・ヘットリング教授のコロキアムに参加し、研究上の助言を受けた。コロキアム終了後も定期的に面談し、博士論文に関する指導を受けた。 (3)新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、予定していたドイツでの現地調査、並びに留学を断念せざるを得なかったが、ドイツ各地の文書館(ベルリン・ゲイ博物館、プロイセン枢密文書館など)に連絡を取り、必要な史料を電子データで送付してもらうことで対処した。また、フンボルト大学のクラウディア・ブルンス教授とも連絡を取り、研究上の助言を受けた。 (4)北海道大学所蔵の「ワイマール期保守革命 ーアルミン・モーラー文庫」を閲覧し、世紀転換期のワンダーフォーゲル運動の思想と活動を分析した。その際に、オイレンブルク事件のワンダーフォーゲル運動への影響を検討した。 (5)フンボルト財団主催のフンボルト・コロキアムと、DAAD主催の国際会議において、本研究の成果の一部を国外に向けて発表した。国際的な研究者から質疑応答を受け、研究上の助言を得た。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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