研究課題/領域番号 |
21J15614
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
榊原 えりか 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | ヘム蛋白質 / 合成金属錯体 / ポルフィリン / バイオ触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本来の捕捉対象であるヘムの代わりに,合成金属錯体を捕捉させたヘム蛋白質HasAを用いて,蛋白質化学と錯体化学の長所を兼ね備えたバイオ触媒を開発する.パッキング構造がもたらす剛直な反応空間をもつHasAの結晶を利用した不均一系触媒反応を開発し,均一系触媒とは異なる位置立体選択的な触媒反応を目指す.さらに,環拡張ポルフィリン二核錯体とHasAの変異体を複合化させ,二種類の金属が関与する触媒反応に展開する.また,緑膿菌の内膜受容体にヘムを輸送する蛋白質PhuTに,ヘムを模した合成金属錯体を結合させ,内膜受容体との相互作用解析にも挑戦する.
|
研究実績の概要 |
合成金属錯体としてテトラフェニルポルフィリン錯体(TPP錯体)を捕捉させたヘム蛋白質HasA(TPP-HasA)を用いて、位置立体選択的な触媒反応の実現を試みた。HasAの錯体結合部位の近傍に位置するバリン残基に変異導入すると、結晶構造中で基質の配位サイトが確保された状態でTPP錯体を捕捉可能であることが明らかとなった。そこで、TPP-HasA変異体の結晶をそのまま触媒として用いたスチレンのシクロプロパン化反応を実施したものの、エナンチオ選択性は発現しなかった。この変異体の反応空間は、基質の配向を制御するためには広すぎるために選択性が発現しなかったと予想し、リシン残基への追加の変異導入を行ったところ、最大16% eeのエナンチオ選択性でスチレンのシクロプロパン化反応に成功した。X線結晶構造解析から、新たに設計したTPP-HasAの変異体は、よりタイトなパッキング構造をとっていることが明らかとなり、反応空間の制御が選択性の向上に寄与したことを支持する結果を得た。 また、他の研究室との共同研究として、ヘテロ原子を骨格に含むポルフィリン錯体(オキサポルフィリンコバルト錯体)を捕捉したHasAが緑膿菌の増殖を効果的に抑制することを明らかにした。ポルフィリンの骨格と緑膿菌の増殖抑制効果の関係性を明らかにすべく、各種測定にも意欲的に取り組んだ。 さらに、緑膿菌のヘム獲得機構を逆手に取った殺菌手法の開発に向けた一歩として、緑膿菌の内膜ヘムトランスポーター(PhuUV)の発現も試みた。当研究室で一般的に用いているバクテリアを宿主とした発現系では、PhuUVの発現は確認できなかったため、コムギ由来の無細胞発現系の利用をしたところ、PhuUVの発現に成功した。相互作用解析によって、無細胞発現系で発現したPhuUVが複合体を形成していることを強く示唆する結果も得た。
|
現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|