研究実績の概要 |
4月から7月にかけては、自身の博士論文の執筆を進めるとともに、東京大学教育学研究科でファカルティ・ディベロップメントについて学んだ。11月には、そこでの経験を活かして一般の聴衆を対象にオンラインの模擬授業を行った。7月から12月にかけては、ドイツのマックス・プランク人間発達研究所に客員研究員として滞在した。その半年間では、Ralf Kurvers博士・Alan Tump博士と共同研究を行い、研究の事前登録・集団実験を実施した。集団実験はすでに終了しており、認知モデルを用いた分析を行って、大まかな結果が明らかになった段階である。研究所では様々な文化的背景を持つ研究者と交流し、ドイツにおける自身の来年以降の研究の地盤づくりに努めた。これらと並行して、社会規範やshared reality(何が普通であるかに関する人々の感覚)の創発過程を支える認知神経基盤に関する論文への投稿・査読対応も進めた。この共著論文はCommunications Biologyに受理された(Kuroda, K., Ogura, Y., Ogawa, A. et al. Behavioral and neuro-cognitive bases for emergence of norms and socially shared realities via dynamic interaction. Commun Biol 5, 1379 (2022). https://doi.org/10.1038/s42003-022-04329-1)。また、3月には集団意思決定に関する論文を投稿するとともに、プレプリントとして公開した(Kuroda, K., Takahashi, M., Kameda, T. Majority rule can help groups solve difficult tasks even when confident members opt out to serve individual interests. Research Square (2023). https://www.researchsquare.com/article/rs-2698752/v1)。
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