研究課題/領域番号 |
21K00003
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
朝倉 友海 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30572226)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 意味理論 / 意味変化 / 東アジア哲学 / 事実 / 意味 / 論理 / 東アジア / メタ意味論 / 西田幾多郎 / 牟宗三 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では東アジア哲学の観点から意味の理論と論理の思想を問いなおす。言語によって表現される意味の領域を、言語的思考の骨格をなす論理との関係のもとに、また意味の発生や変化に着目することで考察する。その際に、近現代東アジア哲学とりわけ西田幾多郎による場所の理論(場所的論理)と、牟宗三が行った論理分析を通した中国哲学再建の試み(円教の理論)とに基づくことで考察を進め、現代哲学の文脈において意味理論の展開を図る。
|
研究実績の概要 |
本研究課題の三年目となる本年度は、計画通り、昨年度までの準備に基づき意味の理論そのものへの取り組みに入った。これまで研究を進めてきた京都学派の哲学および新儒家の思想を対象にした意味理論的理解を基礎とし、意味理論そのものの展開において東アジア哲学の援用を進めた結果、次のような研究成果を得た。 第一に、日本哲学会でのシンポジウム提題として、研究発表「東アジア哲学と「意味」への問い」を行った。本発表では、京都学派および新儒家思想の思想史的な貢献が、主に意味理論の領域にあることの立証を試みた。これは思想史的な研究成果という体裁をとっているが、次の著作の中で展開される理論的な成果も含んでいる。 第二に、本研究の重要な成果として、単著となる著作『ことばと世界が変わるとき:意味変化の哲学』を刊行した。同書は、言語的および非言語的な意味の変化が、認知や自覚といった主体のあり方と結びついている様子を分析するものである。 第三に、同書に含まれる研究の一部について、研究発表「意義的変化与自我的認知(意味の変化と自己認知)」として中国語での発表を行った。この発表を通して、とりわけ東アジア圏での言語哲学研究による知見を深めた。 以上で得られたのは、東アジア哲学がその現代化を試みた空性や十界論といった仏教的な概念が、意味の変化を説明するものである点の解明である。これを手掛かりにして、意味理論の展開する作業を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画として、先立つ二年間に蓄積したところの京都学派の哲学および新儒家思想を対象にした意味理論の思想史的研究を基礎として、三年目以降は意味理論そのものの展開における東アジア哲学の援用を試みるとしており、この計画に沿って研究を進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの思想史的な研究に基づいて、意味の理論における東アジア哲学のポテンシャルを検証する作業に入ったので、おおむね当初の計画に沿う仕方で、この作業を継続することを主とする。ただし、この作業による成果を通して、新たに思想史的な見直しが促進される面もあることが次第に分かってきた。そのため、思想史的な見直しもまた、理論的な研究と並行して行うよう若干の計画修正を行う。
|