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17世紀「デカルト派医学」の展開に見る近世初頭の生命論哲学の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K00008
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01010:哲学および倫理学関連
研究機関山梨大学

研究代表者

香川 知晶  山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (70224342)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードデカルト / デカルト派医学 / ガレノス / アクアペンデンテのファブリキウス / ボアン / ハーヴィ / トリアージ / 人間論 / レギウス / デカルト派
研究開始時の研究の概要

本研究はデカルト派医学の展開を①デカルトの生前と②デカルト没後の17世紀後半に分けて、検討する。
①についてはデカルト『方法序説及び三試論』によってデカルトの基本的な医学思想を再確認するとともに、レギウスの『人間精神小論』とシルヴィウスの人間概念を比較検討することによって、17世紀前半における医物理派と医化学派の特徴を解明する。
②については『人間論及び胎児形成論』として刊行されたデカルトの遺稿集の影響を軸に、マルブランシュ、ラ・フォルジュ、さらにはニコラ・ルメリやダニエル・ダンカンなどのフランス南部の医学者たちの思想を検討し、デカルト派医学の17世紀後半における展開を跡づける。

研究実績の概要

本研究課題ではデカルトの医学生理学思想の同時代への影響を中心に検討する予定であったが、当初予定していた十分な文献調査を行うことが困難となったため、研究の遂行方針を大きく変更することとし、本研究課題に関して助言を求めているデカルト研究センターのA. Bitbol-Hesperies博士の学位論文であるLe principe de vie chez Descartesの日本語訳を作成することを研究の中心とすることとした。この著作は、現在のデカルトおよびデカルト派医学生理学に関する研究を牽引しているD. Antoine-Maut教授(Ecole normale superieure de Lyon)がデカルト生理学に関する先駆的業績で今や古典となっていると評しているように、現代におけるデカルト医学思想研究の出発点に位置するものとして高く評価されてきた。そこではデカルト思想の独自性を解明するために、デカルトの医学生理学がヒポクラテス以来の医学思想史の流れの中に位置づけられ、ハーヴィなどの同時代の医学者たちとの関連が明らかにされている。そのため、本書を翻訳するためには、少なくとも17世紀に至るまでの長大な医学史の基本文献をチェックすることが不可欠となる。本年度はBitbol-Hesperies博士の著作を導きとして、特に古代ギリシア・ローマを代表するヒポクラテス、アリストテレス、ガレノスに関する邦語文献をはじめとする文献調査を行った。ただし、具体的な形になるまでにはまだしばらくの時間が必要であり、本研究の進行を背景とする現代医学の問題に関する著作を刊行するだけに留まった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究課題で当初予定していた研究に関しては新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴って海外調査の実施が大幅にずれ込むことになったため、本2023年度からデカルト派医学の展開というよりもデカルト自身の医学哲学をヒポクラテス以来の医学史の進展のなかに置き戻すことによって解明することを研究の中心とする方針に切り替えることとした。こうした方針の大幅な変更を行ったため、研究の進捗状況としては遅れたものとなった。

今後の研究の推進方策

本年度はBitbol-Hesperies博士の著作Le principe de vie chez Descartesを導きとして、2023年度に特に古代のヒポクラテス、アリストテレス、ガレノスを対象として、邦語文献も含めた文献調査を行った。2024年度においては、そうした文献調査を継続するとともに、探索対象をルネサンス以降、17世紀に至るまでの時代に拡大し、フェルネル、ヴェサリウス、アクアペンデンテのファブリキウス、ボアン、ハーヴィ等、ルネサンス以降の医学思想とデカルトの生理学医学思想との関係を具体的に探る。さらに海外調査も実施し、医学史的な研究の裏付けを充実させることにしたい。なお、Bitbol-Hesperies博士の著作について、2024年度中には翻訳を終了し、刊行する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] パンデミック、バーンアウト、クリニカル・エンパシー2022

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 雑誌名

      ストレス科学

      巻: 36(3) ページ: 139-149

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人体資源化の時代2022

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 雑誌名

      東洋英和女学院大学死生学研究所『死生学年報 2022』

      巻: 2022 ページ: 47-64

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評 御園敬介著『ジャンセニスム 生成する異端―近世フランスにおける宗教と政治』(慶應義塾大学出版会、2020年)2021

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 雑誌名

      フランス哲学・思想研究

      巻: 26 ページ: 330-332

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「治療であるという誤解」は矯正可能か2022

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 学会等名
      第34回日本生命倫理学会年次大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 哲学・倫理の観点から見たヒトゲノム編集の臨床応用2022

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 学会等名
      、日本学術会議学術フォーラム「ヒトゲノム編集と着床前遺伝学的検査について考える―新しい医療技術の利用のあり方」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] イントロダクション・シンポジウム「17・18世紀フランスにおける哲学と医学」2022

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 学会等名
      日仏哲学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物・有用物質生産への活用2023

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 総ページ数
      605
    • 出版者
      (株)技術情報協会
    • ISBN
      9784861049781
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 没人能是 旁視者(No One Can Be an Observer(Chinese Edition)2023

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      陜西人民出版社
    • ISBN
      9787224148299
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「人間の尊厳」とは―コロナ危機を経て―2023

    • 著者名/発表者名
      香川知晶、加藤泰史、建石真公子、齊尾武郎、児玉真美、美馬達哉、姫野友紀子、川口有美子、鍾宜錚、柏﨑郁子、田中美穂、土井健司、梶田隆章
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      日本学術協力財団
    • ISBN
      9784990997267
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] コロナ・トリアージ2023

    • 著者名/発表者名
      加藤泰史、香川知晶
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      知泉書館
    • ISBN
      9784862853813
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 尊厳と生存2022

    • 著者名/発表者名
      加藤 泰史、後藤 玲子、香川知晶
    • 総ページ数
      494
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      9784588151255
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 人のゲノム編集をめぐる倫理規範の構築を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      田坂さつき・香川知晶(編)
    • 総ページ数
      277
    • 出版者
      知泉書館
    • ISBN
      9784862853585
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] デカルトの生涯 校訂完訳版2022

    • 著者名/発表者名
      アドリアン バイエ、山田 弘明、香川 知晶、小沢 明也、今井 悠介
    • 総ページ数
      1304
    • 出版者
      工作舎
    • ISBN
      9784875025382
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 命は誰のものか 増補改訂版2021

    • 著者名/発表者名
      香川知晶
    • 総ページ数
      407
    • 出版者
      ディカヴァー・トゥエンティワン
    • ISBN
      9784799327296
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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