研究課題/領域番号 |
21K00022
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 福山平成大学 |
研究代表者 |
上村 崇 福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | いじめ / 哲学対話 / 道徳教育 / 倫理学 / 教育学 / 傍観者 / 道徳的諸価値 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、これまで個別の領域で取り組まれてきた「いじめ現象の分析」と「道徳教育の実践」と「哲学対話の実践」を架橋し、いじめ現象を抑止する効果的プログラムを構築することである。そのために、いじめ現象、道徳教育、哲学対話の文献をサーベイすることから始め、哲学対話の「知的安心感」と「探求の共同体」という概念からからいじめ現象を抑止する道徳教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
2021年度は、いじめ現象の分析研究、いじめの防止を目的とした道徳教育の実践研究、哲学対話研究のサーベイを行った、2022年度は、初年度の成果を踏まえて、探求の共同体と知的安心感という観点からいじめ現象と道徳教育を接続する概念を試みた。その内容は、第20回子供の哲学国際学会で報告している。また、本年度刊行される哲学対話の論集に、いじめと哲学対話に関する論考を寄せている。
2022年度の研究成果では、探求の共同体を教室内に創出する試みを継続的に実践していくことが、いじめ現象の抑止につながるという趣旨から、知的安心感を確保した集団づくりが必要であるという結論に至った。とりわけ、特別の教科「道徳」においては、一つの授業で一つの内容項目を実施するのではなく、複数の道徳的価値を上げながら、多角的多面的に授業を進めていくことが重要であり、こうした授業を進めていくためには哲学対話が重要であるということを述べた。逆の言い方をすると、哲学対話を道徳教育の「要」である特別の教科「道徳」で実施することで、きちんと根拠のある発言をする、他人の発言をよく聞き理解しようとする、といった哲学対話の姿勢が育まれ、結果的に教室全体に知的安心感が行き渡ることになるということができる。 知的安心感が醸成された空間では、いじめが発生したとしても、いじめが進行する前にいじめを抑止する安全弁が働く(「いじめは悪いからやめよう」と発言する勇気を持つことができるようになる、など)ようになる。
哲学対話をいじめの抑止という観点から明らかにすることは、哲学対話、道徳教育、いじめ現象の防止という3方向にとって役立つ論点を提供することができると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いじめ現象と哲学対話の接続理論は概ねまとまっている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、いじめ現象を抑止する哲学対話のあり方を探る。コロナの関係で海外での哲学対話の実践が行えていないが、現在、ヨーロッパの哲学対話講習をオンラインで受講することで、海外の研究者と交流しながら哲学対話を実施していく方向で研究を準備している。 また、探求の共同体が探求する価値とはいかなるものか、民主主義の理念を批判的に検討する必要性が見えてきた。そこで、パース、デューイが論じる探求の共同体の概念分析と、真理に関するプラグマティズムと認識論の関係についても検討していく。
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