研究課題/領域番号 |
21K00024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 智彦 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (30422380)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ストア派 / プラトン / アリストテレス / ヘレニズム哲学 / ローマ哲学 / 古代後期哲学 / 哲学史 / 古典受容 |
研究開始時の研究の概要 |
現在にまで及ぶ西洋哲学史上のプラトン・アリストテレスの特別な位置づけが確定したのは古代後期(後三~六世紀の新プラトン主義)においてであるが、それ以前のヘレニズム・ローマ期(前三世紀から後二世紀)において両者はどのように受容されていたのか。特にこの時代にもっとも支配的な哲学潮流であったストア派は、どのように古代後期以降のプラトン・アリストテレス理解を準備したのか、どの点で古代後期以降とは異なるプラトン・アリストテレス理解を示していたのか。本研究はこの問いに対して、ストア派におけるプラトン・アリストテレスの受容の諸相に関する個別研究にもとづき、従来の哲学史理解を刷新する回答の提示を試みる。
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研究実績の概要 |
二年目となる2022年度も、個別トピックの研究を進め、国内外の他の研究者との意見交換のために口頭発表を行うとともに、その成果を個々の研究論文としてまとめた。特にストア派におけるプラトン受容に関しては、昨年度公刊した論文'The principle of "doing one's own" in the Platonic-Stoic tradition' (2021)の内容を発展させた発表「〈知者の自由〉の形而上学 ――ストア派とプラトン主義における展開――」を哲学会(東京大学)のワークショップ「自由と主体の系譜学――古代哲学と近世哲学の間で」で行い、ストア派とプラトン主義の自由論の哲学史的意義を考察した。また、ストア派とプラトン主義の実践倫理に関しては、昨年度の国際学会における発表を二本の論文にまとめて投稿し現在査読中である('Incomplete feminisms of Plutarch and Musonius Rufus', 'Why do we have sex in secret? Sexual shame in later Stoics')。さらに本研究に関連する成果として、昨年度の中世哲学会大会のシンポジウム連動報告をまとめた「ボエティウスとアベラールにおけるヘレニズム倫理学」、川島彬・高橋勇真・野村拓矢との共訳「プロクロス『プラトン『国家』注解』第四論文 日本語訳・注」、学会発表「ムソニウス・ルフスの哲人農民論」があり、最後のものは英語論文にまとめて投稿し現在査読中である。また本研究は、日本におけるこの分野の研究の発展と国際化に貢献するために国内外でワークショップや合評会を企画することも計画に含んでいるが、今年度は学振PDの川島彬氏と共同で英語によるオンライン研究会Hokkaido Colloquium of Ancient Greek and Roman Philosophyを企画し、計四回開催した。中国、米国、オランダから様々なキャリアの研究者を招き、新たな研究交流の場を作ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パンデミックの影響が残っていたため当初計画していた海外渡航は断念したが、英語によるオンライン研究会を開催し、新たな研究交流の場を作ることができた。国内学会で二件の発表を行ったほか、三本の英語論文を投稿にまでこぎつけるなど、現在のところ順調に成果があがっている。
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今後の研究の推進方策 |
海外渡航が容易になったのをうけて、現在のところ8月にオランダのライデン大学で開かれる国際学会で研究発表を行うほか、9月には中国の研究者と共同で企画しているシンポジウムを上海の復旦大学で開く予定である。
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