研究課題/領域番号 |
21K00032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 教授 (80372366)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 倫理学 / 災害予防 / 疾病予防 / 犯罪予防 / 公衆衛生倫理学 / 予防 / 防犯 / 予防医学 / 防災 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、今日、ビッグデータやAIの発展を背景に急激に進展している「予防の科学」に対応する「予防の倫理学」の基礎を確立することを目的とする。疾病予防、防犯、防災といった具体的な予防活動に伴う倫理的問題を抽出・比較検討し、予防概念の分析や予防行動に関する倫理原則の明確化を行なうことにより、予防の一般理論を構築することを目指す。そのために網羅的な文献研究と国内外の専門家・実務家との意見交換を行ない、実践を踏まえた理論構築を行なうとともに、研究成果を論文や著書の形で公刊することを通じて、理論から実践へのフィードバックを行なう。
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研究実績の概要 |
本研究では、今日、ビッグデータやAIの発展を背景に急激に進展している「予防の科学」に対応する「予防の倫理学」の基礎を確立することを目的とする。疾病予防、防犯、防災といった具体的な予防活動に伴う倫理的問題を抽出・比較検討し、予防概念の分析や予防行動に関する倫理原則の明確化を行なうことにより、予防の一般理論を構築することを目指す。 今年度は、犯罪予防や災害予防等に関する専門家と意見交換をしつつ、主に災害予防、疾病予防、さらにはいじめ予防に関する倫理的問題について取り扱った。とりわけ今年度は、日本の事例に即しつつ、「いじめ」という概念に関する哲学・倫理学的分析を行ったうえで、その予防の可能性などについて検討を行った。また、今般、世界的な流行を見せているCovid-19に関する諸問題も取り扱い、感染症の予防をめぐる倫理的議論について検討を進めた。こうした研究の成果は、2022年8月にドイツのヒルデスハイムで開催されたワークショップにおいて、"Prevention of School Bullying in Japan: A philosophical analysis"と題して、国際的に発信しただけでなく、第34回日本生命倫理学会や第50回日本集中治療医学会大会などにおいても発表を行い、専門的な議論を行った。さらに、児玉聡著『Covid-19の倫理学 : パンデミック以後の公衆衛生』を出版し、予防の倫理学に関する議論の紹介を、広く一般に向けて行うことにも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、犯罪予防や災害予防等に関する専門家と意見交換をしつつ、感染症予防、疾病予防、いじめ予防に関する倫理的検討を重ね、国際シンポジウムでの発表や国内の学会での報告、さらには児玉聡著『Covid-19の倫理学 : パンデミック以後の公衆衛生』の刊行を行うなど、着実に成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、引き続き、感染症予防、疾病予防、犯罪予防等に関する専門家と意見交換をしつつ、これまでの研究を総合して予防の倫理学に関する一般理論を確立し、単著にまとめる作業を行う。また、関連分野の研究者や実務家の参加するワークショップを開催する。
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