研究課題/領域番号 |
21K00068
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
塚田 穂高 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (40585395)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 宗教教育 / 宗教社会学 / 社会科 / 公民教育 / 教科書 / カルト問題 / 教育論争 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後日本社会を対象に、(Ⅰ)「宗教」をめぐる教育制度・枠組の歴史的変遷の整理、(Ⅱ)「宗教」に関する学習指導要領類と教科書の記述のデータベース構築と公開、(Ⅲ)「宗教」教育をめぐる諸議論の整理・分析と文献アーカイブの構築と公開、(Ⅳ) 分析結果の総合と学校教育における実践可能な「宗教」教育構想の提示、の4点を柱として調査研究を実施し、現代に至るまでの日本の「宗教」教育についての宗教と社会の関係史を描くことを目指す。
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研究実績の概要 |
2年目となる令和4年度は、前年度に引き続いて「宗教」をめぐる教育制度・枠組の歴史的変遷について、先行研究の収集と文献資料の読み込みを行った。 「教育・教科書の中の宗教」データベース構築のためのデータ整理を、高校「政治・経済」・高校「公共」・中学校社会科公民的分野に関して中心的に行った。他に、高校「倫理」、高校「現代社会」、高校「地理総合」についても教科書収集を進め、「宗教」記述の把握と整理を進めた。全ての「政治・経済」教科書・「公共」教科書における、「宗教」に関わる記述全てのテキストデータを収集・整理・点検した。 「カルト問題」対策教育、ならびに宗教文化教育の提唱をめぐる議論についての、文献・研究・資料を広く収集するとともに、関連動向について複数の研究者らと情報交換・意見交換を行った。 「宗教と社会」学会、日本宗教学会、上越教育大学社会科教育学会などにおいて、本科研で収集した資料を活用し、本科研課題に広く関わるテーマでの研究報告を行った。 本科研で収集した資料を活用しながら、「いまこそ学ぶ宗教と政治の関係」「令和日本の「政教問題」―「国家神道」・「宗教団体」論から宗教の拡散化へ―」「宗教 「宗教と政治」、繰り返される無理解と批判」「「宗教2世」問題が、多文化共生、多文化理解の文脈につながっていくということは非常に重要だと思っています」などの論稿を執筆し、発表した。 他に、昨今の社会情勢と社会的要請を踏まえながら、「カルト問題」対策教育やあるべき「宗教」教育について、新聞・専門紙・誌等において、本科研で収集した資料を活用しながら発信・提言を積極的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の「研究実績の概要」で示した通り、2年目の令和4年度は、資料収集とデータベース整備作業、関係する研究者らとの意見交換、広い意味で「宗教」教育に関わるテーマでの複数の学会報告、論文類の執筆・公表の5点において、おおむね計画に沿って精力的に進めることができたと言える。 ただし、研究計画にあった、「教育・教科書の中の宗教」データベースについては、データ部分の整備作業を各教科・教科書で著しく進められたのに留まり、サイト構築と試験的運用については、予算配分上の事情もあり、構築・運用の実施にまでは至らなかった。 以上の理由により、現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
3年目の令和5年度は、当初の研究計画を踏まえ、教科書記述のテキストデータの収集・整理に継続して注力するとともに、「教育・教科書の中の宗教」データベースの構築・試験的運用を行うことを目指す。 また、国会答弁の中の宗教教育の議論について継続的に追うとともに、宗教・子ども・学校に関わる諸問題や事件、それに関わる議論・言説を体系的に広く収集し、インタビュー調査等も併せて実施し、記録する。 並行して、以上の作業に基づく研究成果報告を社会科教育系の学会も含む複数の関連学会で行うとともに、専門学術誌への論文投稿を行い、成果を産出する。 さらに、昨今の社会情勢等を踏まえながら、広い意味での「宗教」教育の具体的な改善案などについても、研究成果に基づきながら発信を行っていく。
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