研究課題/領域番号 |
21K00095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
木原 志乃 國學院大學, 文学部, 教授 (10407166)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 西洋古代哲学 / 西洋古代医学 / ヒッポクラテス / 精神医学 / 夢 / 古代ギリシア医学 / 医学思想史 / 古代ギリシア哲学 / 全体論 / 病 / ガレノス / 西洋医学思想史 / 流行病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古代ギリシア医学における病についての考察を通して、病める人間が環境や風土の中で生きることの意味を問い直し、流行病について倫理的視点を踏まえて語ることの重要性を明らかにすることを目指すものである。とりわけヒッポクラテス医学文書に見られる「流行病」(エピデミアイ)の記録を中心に取り上げ、ガレノスによる考察も比較検討しながら、環境の中で病と共存するための知のあり方を探る。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、西洋古代医学における夢について、および西洋古代の精神医学の語りについて、引き続き検討した。まず令和4年度からの流れで、京都大学西洋古典学連携共同研究会(IJACS)に参加し、異なる専門領域に属する西洋古典学研究者たちとともに、「夢」をテーマに情報や意見を交換し、連携を深め、学際的な観点から共同で研究をおこなった(京都大学大学院文学研究科に属する研究会責任者4名、河島思朗氏、藤井崇氏、早瀬篤氏、津田謙治氏、及び東海大学の中村るい氏、東北学院大学の渡邉蘭子氏の計6名とともに研究活動を行った)。令和4年には10回の研究会(内令和4年の日本西洋古典学会・第 72 回大会における西洋古典学フォーラムとの共催)、令和5年には8回、今年に入ってから既に4回の研究会を開催しており、令和5年10月12日に「夢と癒し」という題目で発表した。また、令和5年3月末に行った古代史研究会にて研究発表を行った古代精神医学の語りのテーマを掘り下げ、まとめ直した論文を研究誌に投稿中である。これら令和5年度の成果をかたちにすべく活動継続中なので、その成果は令和6年度に報告する予定である。さらに令和5年度としては、令和4年に執筆した古代医学のホリズムについての論文が哲学科の合評会にて論評され、また立正大学の田坂さつき先生に拙著『流転のロゴス』を演習で何度か取り上げていただく機会もあった。さらにヘラクレイトスと美学芸術学との繋がりに注目した多摩美術大学の研究会と連携する機会もあり、これまでの研究を見直すとともに、これまでにない新しい交流を持つことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を取りまとめている段階で、論文等の発表は令和6年度以降となる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、引き続き古代ギリシア医学と哲学テキストを精査し、そこにおける夢と精神医学に関する語りがどのようなものだったかを考察する。アスクレピオス神殿での医療行為とヒッポクラテス医学との繋がりを検証し、また夢という事象の経験的な側面と神的な側面とが医学史および哲学史的展開の中でいかに語られていたかについて明確にし、また精神医学に関しては、「流行病」について書かれたヒッポクラテス文書を中心に取り上げ、古代医学思想の語りの独自性を示すことが目指される。
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