研究課題/領域番号 |
21K00100
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
三浦 隆宏 椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (90633917)
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研究分担者 |
百木 漠 関西大学, 法学部, 准教授 (10793581)
渡名喜 庸哲 立教大学, 文学部, 教授 (40633540)
戸谷 洋志 関西外国語大学, 英語国際学部, 准教授 (80807321)
木村 史人 立正大学, 文学部, 准教授 (90757725)
河合 恭平 大正大学, 心理社会学部, 准教授 (80822220)
橋爪 大輝 山梨県立大学, 人間福祉学部, 講師 (50910262)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ハンナ・アーレント / 批判版全集 / 悪の凡庸さ / 革命論 / 難民 / 親ガチャ / 宇宙科学 / コスモポリタニズム / 新自由主義 / 未来倫理 / 複数性 / 凡庸な悪 / 労働・仕事 / ユダヤ人問題 / 出生性 / 思考・意志・判断 / 活動/行為 / ユダヤ人問題・出生性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2018年から刊行が進められている『批判版全集』を、英語とドイツ語の双方から組織的に検討していく。そのさい、既刊の3冊および研究期間内に刊行予定の巻から、(1)労働・仕事、(2)ユダヤ人問題、(3)出生性、(4)思考・意志・判断、(5)活動/行為という5つのテーマを設定し、日本アーレント研究会が母体となることで、研究代表者と分担者を中心メンバーとしつつも、それ以外の研究協力者らとの幅広い協力体制のもと、アーレントの(上記5つのテーマをめぐる)思想がそれぞれどのように形成されていったのかを、最新の文献精査にもとづきながら、思想史的に解明し、その現代的意義をも明らかにする。
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研究実績の概要 |
当初の計画では最終年度に当たる今年度は、『批判版全集』の組織的な検討に関して、分担者の百木が中心となり、関西圏の若手アーレント研究者らと第6巻『伝統に対する近代の挑戦』の精査を続けるとともに、3月には『批判版全集』の編集チームの一員であるバーバラ・ハーン氏(ベルリン自由大学)とのオンライン上でのインタビューを実施した。これらの成果は、次年度中に報告書というかたちでまとめる予定でいる。 また、第2巻、第3巻についても、引き続き精査の作業を続けているが、今年度は分担者の橋爪が2022年に上梓した『アーレントの哲学』(みすず書房)の公開合評会(2023年11月、於:立教大学)と森一郎氏がドイツ語から翻訳したアーレントの『革命論』および同氏の著作『アーレントと革命の哲学』(みすず書房)を主題とする公開シンポジウム(2024年3月、於:関西大学東京センター)を開催することができた。いずれも、登壇者は狭義のアーレント研究者に留まらず、玉手慎太郎氏(公共哲学)、古田徹也氏(倫理学)、石川敬史氏(アメリカ政治史)、毛利透氏(憲法学)といった幅広い分野からの参画が得られ、またオンライン参加を含めると双方ともに100名超の参加者があり、アーレント研究の裾野の拡大と研究成果の社会的還元という両面で、大きな意義があったと思われる。 さらに、代表の三浦と分担者の百木が共著者として加わった『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』(大月書店)も2023年9月に刊行され、話題となったほか、他の各分担者らも論文、学会発表、書籍の刊行と、精力的に自身の研究成果を公表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は2021年に刊行が予定されていた全集第14巻『精神の生活』が2023年度も刊行されず、また、2023年刊行予定の全集第7巻『人間の条件/活動的生』も2026年刊行へと延期されたため、研究テーマ(4)「思考・意志・判断」と(5)「活動」の組織的検討がいまだに着手できていないものの、既刊の3冊の精査を通じた研究テーマ(1)~(3)の検討については個人および共同での作業が続いており、また、いずれは『批判版全集』の精査による組織的な検討を要する『エルサレムのアイヒマン』(2027年刊行予定)と『革命論』(2028年刊行予定)を先んじて検討する機会が得られたことをも鑑み、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
『精神の生活』が2024年4月に刊行されたことを受け、集中してその組織的検討に取り組むとともに、3年間にわたって続けてきた既刊3冊の精査に基づく研究成果を次年度において、公開シンポジウムの開催および報告書の刊行というかたちで順次公表していく。
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