研究課題/領域番号 |
21K00103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
田邉 めぐみ 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (30804091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 時祷書 / ブルターニュ / キリスト教図像学 / 植物装飾 / 子宝祈願 / 弔い / 15世紀 / 中世末期 / ブルターニュ公国 / フランス王国 / 写本画 / キリスト教図像 / フランス王家 / アンヌ・ド・ブルターニュ / 祈念表象 / 贖罪 / 祈念 / 装飾 / 中世 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ブルターニュ公家の者たちが相次いで婚約・婚姻した1431年と、フランソワ1世(在位:1442-50)の死から三度の公位継承が行われた1450年代、そして公国の主権が不安定化する16世紀初頭という、15~16世紀にかけての三期において、公家の存続問題にかかわる子宝祈願と弔いが如何に表象されているかを時祷書の図像・装飾を対象に検討するものである。
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研究成果の概要 |
フランス中世末期の図像や装飾の意味・機能は未解明のままにあるものが多い。従来の様式論や図像学では、この時代の美術全般に認められる聖俗の混淆、図像典拠の多様性、様式の汎ヨーロッパ性を十分に理解することは不可能なのである。本研究では、15世紀のブルターニュ公家のために制作された祈祷書を多角的に検討することで、キリスト教図像の意図的な改変や、世俗図像の象徴機能によって子孫繁栄祈願の表象が様々に生成されていることを明らかにした。それは写本の制作背景の特定に有用な視座と方法論の提示に繋がっただけではなく、隣接しない文化間の比較的視座が古の文化・社会の研究に非常に有効であることを証明することにもなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フランス中世末期の子孫繁栄祈願表象を考察した本研究の成果は、異なる専門分野を架橋することの学術的意義を示しただけではなく、キリスト教世界と古代ギリシャ・ローマ世界、ブルターニュ公国とフランス王国、写本文化と印刷文化といった様々な対立構造の境界が動態であり、そこに見いだせる「あいだ」という立ち位置こそが昨今の様々な次元の紛争解決への指針ともなり得る点で、人文系研究の社会的意義を示しているといえる。
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