研究課題/領域番号 |
21K00109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今泉 秀人 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (00263343)
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研究分担者 |
好並 晶 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (90510503)
阿部 範之 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (20434681)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 文化大革命 / 集体的記憶 / 映画 / 小説 / プロレタリア文化大革命 / 映画史 / 許子東 / 『重読「文革」』 / 物語論 / 中国 / 文学 / 集団的記憶 / メディア / 記憶 / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
文化大革命は、中国の国家民族的悲劇たる大事件であった。世界的視野からみてもその影響力は計りしれず、それが人間の根源的な狂気の過失であったのか、人間の内面に対する政治的実験による損失であったのか等々をめぐって、中国のみならず我々の社会においても「問いかけ」であり続けている。 本研究は、20世紀の100年を通じて広範な人々に最も大きなインパクトを与え続けてきた映画というメディアに描かれた文革、つまり「文革のイメージ」を対象とする通史的な研究である。そして同時に、このプロジェクトは、これまでにない新しい切り口でもって、文革時期から今日までの半世紀にわたる中国映画史の再構築をもくろむものである。
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研究成果の概要 |
本研究プロジェクトの大きな成果として、私達が文革映画史構築のための基礎的な研究として最も重要な先行研究とみなしている許子東『重読「文革」』(2011)の検討および、映画研究に必要な方法や視点を抽出し整理するために、訳文を作成したことが挙げられる。 当該書の「序」、「導論」、「第一章 “災難”的前因与征兆」、「第五章 重読“文革”的不同方法」を今泉が担当し、「第二章 “災難”的降臨方式」、「結論」を阿部が、「第三章 考験与拯救」と「第四章 反思与後悔」を好並が担当した。また文革を描いた映画作品と原作小説の対応関係や出版年次、発表媒体、日本語訳の所在などの各データを一覧にまとめる作業も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中国で文化大革命が集結宣言をなされてから半世紀が経とうとしている。三年後の二〇二七年に「文化大革命後五十年」の国家的な行事が行われるのかどうか、そういうことすら表立っては話し合えないような空気が現在の中国にはあるように感じられる。 文化大革命を描いた映画を軸に「文革の記憶」をめぐる映画史を構築するという壮大な計画を日本で立ち上げたことの意義はまずこの点にあった。この三年間の科研プロジェクトで成し遂げたことは、最も重要な先行研究とみなされる許子東氏の十年以上前に出版された著作を今再び読み、そこから得られる知見を元に我々なりの文革映画史を構想することであった。三年間はその前半の作業に充てられた。
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